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2016年7月21日 (木)

党勢回復したのか?

 参院選挙の総括は、データに基づいた分析を基礎としなけれ
ばならない。
選挙後、前回選挙の17議席が32議席にほぼ倍増したとか、一人
区で2勝29敗だったのが11勝21敗になったとか、フワッとした
評価が飛び交っているが、これでは、あまりにも浅い議論だ。
 確かに、野党統一候補の擁立によって一人区の戦いを一定程
度互角の戦いに持ち込むことができたことは事実だ。
そして、その先鞭となったのが自らが先頭に立ってきた北海道
5区補選だったのだから、参院選で「野党統一候補」で戦った
こと自体は評価すべきだと思っている。
 しかし、あくまでも、295分の1議席を決める選挙、あるいは
政権選択ではない与党の中間選挙という位置づけの参院選での
話であって、この一人区の戦い方、結果を持って、軽々に「野
党統一候補としての戦い」をこれからの既定路線かのように結
論づけるべきではない。
 だから、私はかねてより「成果と課題の検証」が必要だ、と
主張してきた。現在、民進党奈良県連、そして党本部において
「参院選総括」のまとめ作業を行っているので、選挙区ごとの
詳細はその結果をもって論じたいと思っている。
 しかし一方、全国の比例区の得票率による「党勢が回復して
いるか?」の検証については、今後、誤った党運営が行われな
いように、ハッキリさせておきたいと思う。
 全国比例区の全有権者を対象としての「絶対得票率」の推移
を2005年の衆院選から、2009年衆院選、2010年参院選、2012年
衆院選、2013年参院選、2014年衆院選、そして今回の参院選ま
で、11年間で7回の選挙で比較してみる。
絶対得票率ということから、まず棄権であるが、今回は棄権率
は47.3%で2014年衆院選の47.4%とほぼ同じである。2005年の
34.2%から徐々に上がり、2013年より5割弱が続いている。す
なわち安倍政権下でこの状況が定常化している。
 その上で、自民党の比例票の絶対得票率は、18.9%と2010年
に底を打って以来2009年レベルにまで戻している。
すなわち、党勢はかつての態勢に近づきつつあるということだ。
確実に、自民党支持が強化されていると言って良いだろう。
与党の公明党は、7.1%と2014年7.0%と比しても変わらない。
では、民進党はどうか?
2016年参11.1%、2014年衆9.4%、2013年参6.8%、着実に伸び
ている・・・・、と考える...。
それは、違う!
甘い!!!
 今回民進党は維新の東軍と合流した。従って本来ならその分
が支持層として乗ってこなければならない。
今回のおおさか維新は4.8%。
2014年衆は維新は東軍もいた時であり8.1%。
すなわち東軍の比例票8.1-4.8=3.3%を併せて比例得票がなけ
ればならない。
つまり、本来なら、2014年衆9.4%+3.3%=12.7%にならなけれ
ばならないのが、11.1%。
この原因は何か?
共産党との野党連携による、改革保守勢力の忌避であろう。
すなわち、全国的にいえば、本来の民進党の比例絶対得票率を
野党統一候補の構図を見せることにより、減らしてしまってい
るのである。
一方、共産党はどうか?
実は共産党も2016年参5.7%、2014年衆5.8%と、0.1%減らし
ている。これは、おそらく、革新層が民進へと流れたところも
あるだろう。
つまり、全国比例の絶対得票率から見れば、
○自民は党勢を2009年レベルにまで回復させている。
○公明は変わらず。
○民進は野党連携により本来のレベルより減らしている。
○共産は野党連携により減らしている。
のである。
 また、社民の2016年参の1.4%、生活1.0%も過去から変わら
ないレベルで存在し続けており、改革、国民の怒り等々併せる
と1.8%水準となり、足すと4.2%と、これも無視できない状況
だ。
 以上のように、党勢回復したなどと、喜んでいられる状態で
はないと思っている。
 そして、与党含め改憲勢力に3分の2を与えてしまった厳然た
る事実を直視しなければならない。
つまりは、次の衆院選は、間違いなく憲法が争点となる。
党勢は回復どころか、実は低迷している中で、単なる「護憲」
では、対峙できないということも考えなければならない。
野党統一という選択が、相当に険しいということを念頭に置き
ながら、今後の戦略を立てる必要があるということを、この段
階では強く伝えておきたい。

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コメント

民進党のサポーター登録した者として一言申し述べ
ておきたいです。自民党が党勢回復した理由は

・憲法問題は票にならないと割り切って宣伝資源を
 投入しなかった。
・消費税問題から距離を置き『経済に強い自民党』
 のアピールを徹底した。

の2点に集約されます。これは今回の選挙で自民党
が採用した経済政策一本槍の宣伝戦略から明らかで
す。日本国民の多く(特に勝負の要となる浮動層)
は保守だの革新だのの前に実利主義者なのです。

だとするならば、

>次の衆院選は、間違いなく憲法が争点となる。

との考えでは良くても組織票の足し算勝負にしかな
りません。選挙が近くなると憲法問題への深入りを
避ける自民党の戦略から学習し、経済政策の土俵で
政策発信してメリットを提示してもらえるよう要望
します。

投稿: こうたろう | 2016年8月26日 (金) 20時43分

岡田氏の打ち出した、野党協力を見て、民進党サポーターから離脱を検討している者です。

民進党には、自民党に対抗する政権交代実現可能性がある責任政党として存在感を示して欲しいのです。その時に党勢回復のためのターゲットは、穏健なリベラルを理想とする層、具体的には自民党支持層内のリベラル派ではないのですか?
自民党は穏健右派であるならば、民進党は穏健左派を目指すべきです。

憲法改正反対、安保反対、原発反対、天皇制反対etc…
民進党がこのような主張しかできない、してこなかった社民党や共産党のような万年野党と連携した先は、国策に何ら責任を負わない、単なる市民運動家の集まりになってしまいます。

そもそも現状の圧倒的多数派である無党派層が、今日の日本社会において、社民党や共産党に共感を寄せる事があるとでもお考えなのですか?
都知事選にしても同様です。
鳥越なる典型的旧い左翼思想を体現した人物を万年野党と一緒に担いでどうするのです?そもそも彼の主張は民進党の主張と合致しているのですか?

民進党は旧社会党や旧民社党を母体としてスタートしましたので、党内に極左的勢力が残存していることも承知をしております。
が、もはや党勢回復のためにはそのような勢力こそ排除すべきです。
そしてそのためには一刻も早く野党協調路線から離脱すべきです。

馬淵先生は民進党の良心であるとかねがね感じておりました。
民進党がリベラルな思想を根底におきつつ、現在日本が直面している諸問題に対し現実的な対応ができる党であることを望みます。

投稿: | 2016年8月11日 (木) 22時49分

>全国的にいえば、本来の民進党の比例絶対得票率を野党統一候補の構図を見せることにより、減らしてしまっている

との、馬淵議員による野党共闘の評価についてだが、まず民進党(≒旧民主党)の党勢の回復の如何についての判断は単に議員の数によって行なうのが良い。そのように見れば、党勢の回復が成っていないことは明白である。

 そして野党共闘について言えば、共闘がなければまず選挙区での選挙では民進党はもっと少ない議席しか確保できなかっただろう。共闘に効果があったことは明白である。

 最後に、果たして「野党統一候補の構図を見せたこと」が、民進党が比例絶対得票率を減らしたことの原因なのかどうか。比例絶対得票率は投票率それ自体と、有効投票の中の得票割合とによって決まると考えられる。このうちの後者の数字がさしあたりわからないので、直ちに断言はできないが、たぶん民進党の比例絶対得票率の減少の主因は、投票率自体の低下にあると考えるべきだろうと思われる。そしてなぜ投票率が下がったかと言えば、与党と野党が対立する争点を形成することが、とりわけ野党のイニシアティヴではなしえなかったからである。そう考えるなら、民進党は是が非でも憲法改正問題をこそ主要な争点にするべく、あらゆる努力をするべきだった。それこそ選挙前の数か月間(単に選挙期間中だけでなく)、毎日駅頭に誰かしらが立って演説して訴える、ということを全国津々浦々でするべきだった。メディアが政権側に取り込まれている現状では、野党は、自らの主張を人々に届けようとするなら、駅頭での演説など、自らの努力をするほかない。その努力が足りなかったのである。

投稿: vox_populi | 2016年7月23日 (土) 01時19分

馬淵さんなりの今回の参院選の結果分析を興味深く読ませていただきました。あえて馬淵さんの分析の甘い部分を指摘させてもらいます。

馬淵さんは、本来なら2014年衆9.4%(旧民主)+3.3%(維新東軍)=12.7%にならなければならないのに今回は民進11.1%だったのは共産党との連携で改革保守層が逃げたからだと主張しています。果たしてそうでしょうか?

私は「自民党でもなく民進党でもない第三極が良い」という有権者のグループが維新東軍に付いてこなかったという可能性が高いと考えています。つまり旧みんなの党の支持者のような二大政党を忌避する有権者が民進党に入れなかった(他の野党に分散した)ということではないか?ということです。

なので維新東軍の支持者がそのまま民進に流れるというのは甘い想定だと思うし、改革保守勢力が野党共闘で逃げたと決めつけるのは適切ではないと思います。

とにかく民進党のサポーターとして馬淵さんにお願いしたいことは

・野党共闘を政争の具にして党内でゴタゴタしないで欲しい。民進党のイメージダウンに繋がります。

・選挙区で野党候補が乱立して民進党が負けた時、馬淵さんは責任とれますか?民進党支持者の総意は「野党候補はなるべく少なく」です。野党共闘や選挙協力が重要なのではなく、候補者が乱立しないことが重要です。

選挙区で自民vs民進の一対一を作れれば野党共闘や選挙協力はしなくてもよいと思いますが、他の野党にもメンツがあるので難しいでしょう。どうか適度な距離感を模索してください。


投稿: 隣県の民進党支持者 | 2016年7月21日 (木) 22時52分

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