« 2014年8月 | トップページ | 2014年11月 »

2014年9月

2014年9月26日 (金)

がん免疫細胞療法の可能性

 党人事が終了し、選挙対策委員長再任となった。
再び、選挙三昧の生活となってしまうが政策テーマとして引き
続き興味ある分野についてはフォローしていきたいと思う。
 その一つでもある、がん対策については前回も記した。
がん対策の中でも免疫療法、とりわけ注目を集める「免疫細胞
療法」の可能性について取り組みたいと思っている。
◆免疫療法と免疫細胞療法
 免疫細胞療法は、がん患者の体内にある免疫細胞を一度体外
に取り出し、強い刺激を加えながら培養して免疫細胞の活性を
高め、がんを攻撃する戦力を整えて、患者本人の体内に戻すと
いうがん治療法だ。
 免疫細胞を体外で培養する「免疫細胞療法」は、その他の
「免疫療法」とは大きく異なる。従来の免疫療法は、病原体や
サイトカイン類など免疫刺激物質を体に投与するもので、手軽
で費用も安い療法。
しかし、強力な免疫刺激物質を投与すると、がんを攻撃する免
疫力は高まるが、強い免疫刺激は患者にとっては危険である。
一方、弱い免疫刺激は安全だが、十分な効果は期待できない。
このジレンマを克服するのが、免疫細胞療法だと言われている。
◆免疫細胞療法の仕組み
 がん細胞そのものは全ての人の体内に日常的に存在する。
しかし、全ての人ががんになるわけではない。
それは、体内の免疫細胞が全身をパトロールして、がん細胞を
見つけて排除しているためと考えられている。
この仕組みを「免疫監視機構」と唱えたのがオーストラリアの
ノーベル賞学者のバーネット博士で、1970年のこと。以降、現
在も広く支持されている。免疫細胞療法は、この免疫細胞を体
外に取り出して強い刺激を与え、がんと闘う力を目覚めさせて
体内に戻しがん細胞を倒していくという療法だ。
 バーネット博士の免疫監視機構説にによって免疫細胞の研究
が1970年頃より始まり、細胞傷害性T細胞や樹状細胞によって
がんを攻撃するメカニズムを明らかにし治療としての実用化す
る取り組みが行われてきたが、決定的な成果を上げるには至ら
なかった。
その後、もっと強力な、がん退治が可能な免疫細胞を探す研究
が進み、1975年、がん細胞を倒すNK(ナチュラルキラー)細胞が
発見された。
さらに研究が進み、NK細胞が強力にがんを攻撃することが明ら
かになる中で、1984年、米国国立衛生研究所(NIH)による「リ
ンフォカイン活性化キラー細胞療法(LAK療法)」が大規模臨床
試験として実施され、免疫細胞療法の基本原則が確立された。
現在では、患者からNK細胞を含むリンパ球を取り出し、活性化
を高めて体内に戻すという「活性化自己リンパ球移入法」が、
免疫細胞療法として行われている。
◆標準治療との組み合わせ
 免疫細胞療法は、手術、化学療法、放射線療法といった標準
治療を否定するものではない。免疫細胞療法だけですべてのが
んを治療するということではなく、標準治療と併せて、標準治
療でがん細胞を一気に減らし、免疫細胞療法で残りのがんを叩
くといった新たな選択肢を患者に提供することが重要と考える。
 現行の標準治療では、遠隔転移群の5年生存率は平均で12.5%、
胃がん肺がんでは5%台、肝がんでは1%台とされ、事実上、標準
治療では対応できない症例があることは明らかだ。
公的保険でカバーできる治療法が期待できないケースでは、先
端医療(自由診療)に患者は期待をせざるを得ない実態がある。
このような状況の中で、免疫細胞療法のような新たな治療法が
「第4の標準治療」を目指している過渡期には、自由診療をサ
ポートする制度も含めて検討が必要と考える。
 ただし、標準治療をがん治療のスタンダード(だから標準な
んだが)としてきた医学界や製薬業界が、このような療法を
「第四の標準治療」と認めるには相当の壁があるのも事実だ。
 既得権益と一言で済ませる気はないが、既存の療法とも併せ
たあらゆる方法を考えて取り組みを進めていきたいと考えてい
る。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年8月 | トップページ | 2014年11月 »