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2014年7月

2014年7月16日 (水)

「滋賀ショック」という必然

 13日、滋賀県知事選の投開票が行われ、前民主党衆議院議員
の三日月大造氏が大接戦の末に、自民推薦候補を破り当選を果
たした。
初当選同期として、4期生の有志が最初に応援の名乗りを上げ
政党推薦を受けないという三日月氏の「心意気やよし!」とば
かりに、多くの同僚や仲間が集った。
そして何よりも、滋賀を想う多くの滋賀県民の皆さんの力が一
つになった結果だ。
心から祝福するとともに、チカラを貸していだたい皆様に感謝
申し上げる。
一方、安泰とみていた与党には激震が走ったとマスコミは報じ
る。安倍政権を揺るがす、「滋賀ショック」だと。
与党にとってはショックだったかもしれないが、勝利は偶然で
得られるものではなく、そこには必然があった。
では、どのような必然があったのか。
◆勝因は何か
 当初、劣勢と言われた選挙戦で、三日月氏の勝因はどこにあっ
たのか。
それは、次の三点だ。
 まず第一に、嘉田由紀子滋賀県知事の後継者という構図、そ
して「チームしが」という団体を組織し、草の根型の選挙を展
開できたこと。事前の調査で、8年間の嘉田県政についての県
民の評価は、「評価する」が「評価できない」の倍となるなど、
一定の評価を得ていた。三日月氏は、嘉田県政で、特に評価の
高かった、「もったいない」財政再建路線や、草の根環境自治
を引き継ぎ、嘉田県政の継続を求める民意の受け皿となること
に全力を尽くした。
 また、自民推薦候補が元官僚ということもあり、「草の根選
挙」対「組織型選挙」、「草の根自治」対「中央集権・言いな
り自治」という、はっきりとした構図をつくり、有権者に選択
肢を提示できたことも功を奏した。
 第二に、自民党の強引な政権運営に対する不安の受け皿となっ
たこと。
7月1日の集団的自衛権についての閣議決定が、有権者の投票行
動に与えた影響は大きい。
昨年末の特定秘密保護法の強行採決や首相靖国参拝、そして、
通常国会会期末に出た石原環境大臣の「金目」発言、自民都議
・国会議員によるセクハラやじ問題等々、これまで積み重なっ
てきた強引・傲慢な政権運営や右傾化に対する漠然とした不安
感が、閣議決定を機に、一気に噴き出した。
こうした国民の漠然とした不安や不満、憤りということについ
ては、既に鹿児島2区補選で実感していたところでもあり、そ
れに向けたメッセージの発信により2区補選では鹿児島市、南
九州市、指宿市の九州本土では完勝の結果を得ていた。
 第三に、三日月氏の「チャレンジング・リーダー」としての
メッセージ発信である。
選挙告示日前、意識調査を行いマーケティング手法に基づいた
分析を行ったところ、三日月氏は、新人(チャレンジャー=攻
め)であるにも関わらず、嘉田知事の後継候補としてリーダー
(=守り)としてのポジションを得ていることが明らかになっ
た。
本来、「攻め」と「守り」は両立しない。
しかし、ビジネスの世界では、トヨタが業界に先駆けてハイブ
リッド車を発売したように、業界のリーダーが、革新を行って
チャンレンジャーとしての地位を兼ね、「チャレンジング・リー
ダー」となった時には、圧倒的な強さを発揮するという現象が
起きる。今回、三日月氏は、嘉田県政の評価されている面を引
き継ぎつつ、足りなかった部分、すなわち、中小企業支援をは
じめとした地域経済の活性化、雇用、子育て支援策等を訴え、
「チャレンジング・リーダー」としてのメッセージ発信を行っ
た。
◆今回の選挙で得たもの
 今回、僕自身は三日月氏の衆院当選同期の有志として、また、
民主党選挙対策委員長として、5月の事務所開きから投票日ま
での51日間のうち、26日間、滋賀にはりつき、また、馬淵事務
所スタッフはもちろん、民主党秘書団、支部長、議員をはじめ、
のべ844名を滋賀に投入して、まさに総力戦で臨んだ。
 滋賀に入ってもらった方々には、とにかく歩いて有権者と言
葉を交わし、逐次その報告をあげてもらった。戦略が機能した
のも、有権者の生の声つまり現場の声をリアルタイムに反映で
きたからだ。
 今回の選挙戦を通じて、歩いて生の声を聴くことの大切さ、
そして、政権に対する不安の受け皿を求める民意が、確かに存
在することを改めて確認することができた。もちろん、チーム
しがによる三日月選挙の勝利ではあって民主党の勝利ではない
が、巨大与党に対しての戦い方を示唆する非常に大きな意味を
持つ勝利だった。
 今後は、国政においても、有権者の不安を受け止める受け皿
づくりが求められる。生活者目線に立つ政策を掲げた「チームし
が」と親和性の高い我々民主党が先頭に立ち、その受け皿づく
りを進めていく。

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2014年7月 1日 (火)

集団的自衛権行使に関する閣議決定

 本日夕、安倍内閣は臨時閣議において「国の存立を全うし、
国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」
を閣議決定した。いわゆる集団的自衛権行使に関する憲法解釈
の変更を行ったものである。
※閣議決定本文
 この全文を通読して、コメントを発しておきたい。
 まず前提として、僕が主張する集団的自衛権の限定的容認論
と安倍政権の閣議決定は根本的に違う。
閣議決定は、武力行使の範囲の拡大を前提としているが、僕の
議論は必ずしもそうではない。
集団的自衛権の一部容認は、必ずしも武力行使の範囲の拡大を
意味するものではない。
僕が集団的自衛権の一部容認論を主張する理由は、政府のこれ
までの個別的自衛権のなし崩し的な拡大解釈への問題意識だ。
 政府のこれまでの拡大解釈により、日本の自衛権の範囲は、
すでに実質的には集団的自衛権に一歩踏み出している。それな
らば、個別的自衛権と集団的自衛権の概念整理をしっかりと行
い、個別的自衛権・集団的自衛権双方の限界にしっかりとした
限定を加えるべきと考える。
そこには、「際限なき行政裁量」に限定を加えるという、僕の
政治家としての信念がある。
それを前提に、今回の閣議決定についてのコメントを述べる。
○1頁目「我が国の平和国家としての歩みは(中略)これをよ
り確固たるものにしなければならない」
⇒首相会見においても、平和国家として地位を確固たるものと
することが幾度となく強調されてきたが、「武力の行使」の範
囲の拡大が、なぜ平和国家としての地位を確保することに繋が
るのかの十分な説明がない。
また、多くの国民もその点を疑問に思っている。武力行使の範
囲の拡大を行うならば、その理由を示すことは本来最重要の事
項のはず。
○6頁目「これまでの憲法解釈のままでは必ずしも十分な対応
ができないおそれがある」
⇒自衛権行使の「外縁」、すなわち武力行使の範囲を拡げるこ
とを前提とした理屈だ。
自衛権行使の外縁を拡げるのであれば、その理由を示す必要が
あるにもかかわらず、結論ありきの議論になっている。理由と
して、「我が国を取り巻く安全保障環境の変化」を挙げている
が、それも何を意味しているのか判然としない。仮に朝鮮半島
有事への備えを理由とするならば、それを明確に示すべきだ。
理由・必要性が示されない中での自衛権行使の外縁拡大は、今
後の政府による恣意的な拡大解釈を許しかねない。
理由・必要性を示すことは、行政裁量を限定する根拠となる。
はっきりと理由・必要性を示さない表現からは、政府のフリー
ハンドを残しておきたいという意図が見て取れる。
○7頁目で示されている「新三要件」
⇒文言上、新三要件は、「武力の行使」、「実力の行使」に関
するもの。集団的自衛権に限定する旨の言及はない。したがっ
て、この新三要件が、集団的自衛権のみならず、集団安全保障
にも適用される余地を残す。すなわち、我が国が、湾岸戦争や
イラク戦争のような国際紛争の場において、将来、武力の行使
を行う潜在的可能性を残すものだ。
⇒集団的自衛権に慎重な公明党への配慮から、集団的自衛権へ
の言及は、「国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合があ
る」と述べるにとどまっているが、それがかえって、上に述べ
たように新三要件の適用範囲を不明確にし、限定を曖昧にして
いる。
⇒「明白な危険」要件については、それをどうのよう判断する
のかという観点が欠けている。憲法判例では、「明らかな差し
迫った危険の発生が具体的に予見されること」(最判平成7年
3月7日)等、さらに限定を加える文言が使われるが、最低限、
このような限定が必要ではないか。(限定要件をこれに限る趣
旨ではない。また、朝鮮半島有事を想定するのであれば武力行
使について地域的限定を加えることも一案ではないか)。
【まとめ】
 戦闘下におけるシーレーンの機雷掃海等について公明が難色
を示すなど、自公で新三要件の適用をめぐる解釈に食い違いが
ある。本来、通常の法案であれば、国会審議の政府答弁などを
通じて解釈は明確化され、行政裁量は限定されていくが、今回
の閣議決定は、与党協議というブラックボックスにおける議論
のみで決定され、そのプロセスは極めて不透明だ。これでは解
釈の明確化や行政裁量の限定は全く行われていないことになる。
プロセスの不透明性は、進め方の妥当性(広い意味でのデュー
プロセス)といった手続上の問題だけでなく、行政裁量の無限
定性という意味で、実体法上の問題も生じさせることになる。
国会審議を通じて、これまで「際限なき裁量行政」と闘ってき
た政治家として、今回の閣議決定に強い危機感を覚える。

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