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2014年3月19日 (水)

現実主義の年金改革私案

 年金改革私案を発表した。
「年金改革私案~若者や子育て世代を応援する年金改革パッケー
ジ~」
 民主党政策の一丁目一番地は、何と言っても社会保障だ。
民主党は、「消えた年金5000万件」をはじめとする社会保障問
題への追及で政権を付託され、社会保障財源としての消費税導
入により政権を失った。
その意味で、社会保障政策は、民主党にとって特別な意味を持っ
ている。
 党再生を実現する上でも、また、社会保障に後ろ向きな現政
権に対する対立軸という意味でも、党にとって社会保障政策を
再度練り上げることが必要不可欠だ。
そのような意識で、私自身、党内議論に一石を投じるため昨年
春より構想を立て、秋から、党選対委員長としての仕事の傍ら、
年金制度についての勉強を重ね、検討を続けてきた。
 これまでの民主党の年金制度改革の議論は、「年金制度の一
元化」と「最低保障年金」を二枚看板にしてきた。
いわば制度改革に焦点を当てた議論と言える。
一方で、一元化を実現するためには、自営業者も含めた正確な
所得捕捉が前提になるが、マイナンバーを導入したとしてもそ
の正確な補足には、なお課題が多い。
また、最低保障年金導入には、保険料を払っていない期間につ
いてまで、給付を保障するのは、本来、現役時に保険料を払い
将来年金を得るという年金制度の枠内では難しい。
 ではなぜ、「一元化」と「最低保障」なのか。それは、非正
規雇用の増加など、働き方の多様化により、従来の年金制度で
は、多様なライフコースの選択に対応できなくなっているから
だ。
また、非正規雇用で働く若者は、将来、無年金・低年金に陥る
リスクが高い。このような社会的課題に対応するためにこそ、
理念として「一元化」と「最低保障」が必要としてきた。
 そして、このような状況では、若年層の年金制度に対する不
信が広がり、ひいては、年金制度そのものの持続性が揺らぎか
ねない。一方で、上で述べたように抜本改革にはなお課題が多
い。
 こうしたことを踏まえ、今回の私案は、対象、すなわちター
ゲットを絞り、そこから年金改革を考えた。いわば、制度では
なく、制度を利用する「人」に焦点をあてた改革案だ。
 特に、年金制度に対する関心が薄く、かつ、現在の年金制度
が十分に対応できていない、若者や子育て世代に焦点をあてた。
また、移行に時間がかかる一足飛びの抜本改革ではなく、そこ
に近づけるための現実主義の改革メニューを提示することとし
た。
 詳しい内容については上記アドレスにある改革私案本文を参
照して頂ければ幸いであるが、主な改革メニューを簡単に紹介
すると以下の通りとなる。
○一元化(短時間労働者への厚生年金の適用拡大)
 一元化については、一足飛びの一元化ではなく、その一里塚
として、まずは、厚生年金の適用を週20時間以上の非正規労働
者にも広げる。平成24年改正で一定の前進を見ているが、さら
にこれを進めるための改革(20時間以上の完全適用を目指した
改革)を早急に行う。そのため、平成24年改正法の施行後3年
後見直し規定の検討前倒しを行う。
○若者支援
 若者を支援する仕組みとして、フランスでの最近の制度改正
を参考に、職業訓練の期間や失業期間などを厚生年金の適用対
象とする。
また、所得の少ない20代の方の保険料を猶予する若年者納付猶
予制度について、利用する際のハードルとなっている所得上限
(扶養親族がいない場合、年収57万円以下)を引き上げ、より
利用しやすい制度とする。
○子育て支援
 さらに、子育て支援の仕組みとして、厚生年金について、産
休期間の保険料免除(平成26年4月から)、育休期間の保険料
免除に加えて、育休期間終了後も子が一定年齢に達するまでの
間は保険料負担を軽減するなどの措置を導入する。また、国民
年金のみの方についても、産前産後期間中は、給付に結びつけ
る形での保険料免除措置を講じる。
○最低保障機能の強化(再分配機能の強化、低所得若年者への
給付の充実)
 最低保障機能の強化については、高所得を得ている受給者か
ら低所得の受給者への再分配機能を強化する。
具体的には、高所得を得ている年金受給者の基礎年金について
一時停止・減額を行う、または、一定額を税として回収(クロー
バック)し、それを財源として、一定条件下の低所得者に対し
て福祉的給付措置を行う(再分配機能の強化)。
 保険料を払う期間を64歳まで延長し、それに応じて給付を増
額する。
 保険料免除期間に対する給付水準を引き上げる。
 国民年金保険料に、所得比例の要素を入れる。また、保険料
免除をよりきめ細やかな多段階免除制度とし、低所得若年者が
保険料を払いやすい制度とする。
若年者納付猶予期間についても、追納を行わなくても国庫負担
相当額の給付が増える仕組みを検討する。
 今後、社会保障総合調査会をはじめ、党内の社会保障の議論
に、この私案をインプットし、現実路線の社会保障改革を引っ
張っていければと思う。改革を前に進めるべく、現実主義の提
案を、一歩ずつだが着実に行っていく。

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