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2011年12月

2011年12月31日 (土)

来年こそ、よき年に!

 今年も振り返ると、本当に大変な年だった。
もちろん、何よりも未曽有の大震災と原発事故被害が上げられ
るが、世界を見ても混沌が深まり、歴史的な転換期を迎えてい
ることを予感させる一年となった。

僕自身のことを振り返っても、年始早々には内閣改造により大
臣を退任、党役員に就いたと思ったら震災後には総理補佐官を
任命され原発事故対応。そして3カ月後には補佐官を退任して
代表選挙へとなだれ込む。8月29日の代表選。そして惨敗。無
役議員としての新たな出発。

本当に怒涛の日々だった。

少し、落ち着いた日々を送りたいとも思うのだが、もはやそう
もいかないかもしれない。

 更に、政権支持率低迷、解散圧力の高まりなど、来年にも不
透明感残す要素は多々ありと想定される。

厳しい状況には変わりはないが、自らは新たな道を歩み始めた
の思いも強い。

ぶれずに全力で責任を背負って、頑張っていきたい。

 今年も一年間ありがとうございました。

 皆様におかれましては、よき年となることをお祈り申し上げ
ます。

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2011年12月30日 (金)

税調、ようやくの修文決着

 日付が変わってしまったが、正確には29日の23時45分に税調
にて消費税増税議論の結論が出た。午後3時から休憩を3回はさ
んでようやく決着。
党内には割れてはならないという、まとめの意思が働いての結
果だと思う。

最終的には参加者の意見を踏まえて、前文で「議員定数削減や
公務員総人件費削減など自ら身を切る改革を実施したうえで税
制抜本改革による消費税引き上げを実施すべきである」となっ
た。

ここは、定数削減や行革の「実施」が前提となったということ
で、自ら襟を正すことの前提が担保されるということの理解だ。

 また、昨日僕も発言をした附則104条の前提条件をどのよう
に担保するかということについては、「名目・実質成長率・物
価動向など、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に
勘案したうえで、引き上げの停止を含め所要の措置を講ずるも
のとする」となった。

また、こうした条件のもとに「与野党協議を踏まえて法案化を
行う」と最後に記されることになった。

 総理出席で深夜に及ぶ議論。総理から「引き上げ時期・幅」
についての強い決意が示されたのが、午後6時半。
いわく「2013年10月に8%、2015年4月に10%」と昨日と同様の
提示。

 その後、反論が相次ぎ、休憩をはさんで総理から改めて提示
されたのが「2014年4月に8%、2015年10月に10%」。総理の大
幅な譲歩と事務局から示される。

しかし、これでは収まらない。結局再度の提示が、上記の条件。

昨日、僕は104条の前提条件について述べたのでもはやそれ以
上の意見はない。むしろ、今日は、総理がどの程度のハラをもっ
てこのことに臨むのかを見極める以外にないと思って出席した。

果たして、解散までを覚悟しているのか。
国民との約束を反故にしてまでも行う覚悟が本当にあるのか。
その答弁に注目した。

 結論は、残念ながら、僕にはその覚悟を感じることはできな
かった。
しかし、出席議員の意見に耳を傾ける姿は見ることができた。

税調のまとめの総括は、またあらためてしようと思うが、最終
的には「まとめよう」という意思が全議員に働いた結果だと思
う。

総理が出席して、不退転の決意で時期と幅を明記しようとしか
つ法案を提出しようとするのであれば、それは簡単には覆るも
のではない。
その中で、ギリギリの折り合う点を模索した結果。

残念ながら、増税路線そのものは代表選挙で決しているという
のが実情であり、その代表選に敗れた自分としてはもう一方で
ハラをくくる以外にない。

 そして、漸く、こんな時間にホッとして記す時間ができたが、
さすがに疲れた。

税調の議論は終わったが、僕にできることは、今日修文された
事項に基づいて法案提出までにまた議論に参画し、附則104条
に記されている前提条件のトリガーをしっかりと書き込めるよ
うに働きかける以外にない。

 税調の会議が終わり、日付が変わるころ会館を出ようとする
と後ろから「まぶっちゃん!」と声をかけられた。

振り返ると人だかりの中からこちらに顔を向ける人影。
野田総理だった。

「ありがとう。」と手を差し出された。

実は代表選挙以来、4か月間、一言も声をかけられることもな
ければ挨拶を交わすこともなかった。
予算委員会でも僕と目を合わすことはなかった総理から、声を
かけられて、少々驚いた。

ホッとされたのだろうか。

こちらも、「代表選挙以来ですね。言葉を交わすのは。」と答
えた。

しかし、安堵できる状況ではない。
厳しいのはこれからだ。

増税はこのタイミングで行うべきではない、との考えは変わら
ない。
しかし、今回、代表に選ばれた総理の意思が通ったかたちだ。

そして、これからが正念場。いばらの道が続く。

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2011年12月29日 (木)

定数削減なくして増税なし

 やっとというか、とうとうというか、今日の午後3時からの
税調に野田総理が出席するという。

昨日も、議員のみならず税調の役員までが「このような形で法
案出すのなら解散すべきだとの想いがある」との意見が出た。
それぐらい、皆、重く受け止めているということだ。

 総理の覚悟も含めて、見極めに行く。ハラを見に行く。

 一方で、一昨日久しぶりにBSだがテレビ番組のビデオ収録に
出た。
杉尾さんがコーディネーターのTBSの「News21サタデースコー
プ」。
いろんな議論の中で、議員自らが襟を正さなければならないと
して「議員定数削減」の話が出た。

僕としても、今まで訴えてきた定数80の削減は当然だと思って
いるが、法案を少数政党も含めて理解を得ながら作っていこう
とすると、比例区削減だけでは不公平のそしりは免れないと思っ
ている。

 個人的には、同僚の石井登志郎代議士の提案を伺って、小選
挙区、比例区併せての削減が必要ではないかと思っている。も
ちろん、党内議論としては政治改革推進本部で行われており正
式に各党との協議が行われているが、そんな思いを番組では述
べた。

昨日の税調でも噴出した定数削減については、さっそく政治改
革推進本部役員会が開かれ「定数削減なくして増税なし」が確
認されたとの報道を見た。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111228-OYT1T01051.htm
民主党は28日の政治改革推進本部(本部長・樽床伸二幹事長
代行)の役員会で、衆院の比例定数の80削減を目指す方針を
確認した。同党の若手議員が、消費税増税の関連法案提出前の
定数削減を要求していることを踏まえたものだ。樽床氏はその
後の記者会見で「定数削減なくして増税なし、だ。鋭意検討に
着手したい」と述べた。(2011年12月28日21時51分  読売新聞)

 衿を正し、隗より始めよ、で臨まなくてはならない。

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2011年12月28日 (水)

附則104条への具体的視点

 今日も税調で発言したが、現政府が消費増税の根拠としてい
るのが所得税法等の一部を改正する法律附則第104条だ。

この104条を考える上での具体的視点こそが、今日の発言の根
幹である。

104条を考える上で、着目すべき具体的な事項を示した上で、
税制改革の本来のあり方を、進め方を考える。

1.「景気回復過程の状況」を見極めるための具体的な事項
(1)デフレからの脱却の確認
 消費税引き上げ前に1年程度、食料及びエネルギーを除いた
ベースの消費者物価(いわゆるコアコアCPI)上昇率が2%程度に
なっていることを確認する。

(2)金融システムの安定の確認
 少なくとも日本、米国、英国、ユーロ圏の金融システムの安
定状況を確認する。例えば、政策金利(日本であれば翌日物コー
ルレート)と銀行間の金利、銀行から企業への貸し出し金利の
推移を見て、政策金利に比して銀行間の金利の高止まりが発生
していないか、また、銀行間の金利に比べて貸出金利が高止ま
りしていないかを確認する。

(3)GDPギャップがゼロかプラスであることの確認
日本経済がデフレから脱却し、日本を始め主要国の金融システ
ムの安定が確保されている上で、「景気回復過程の状況」を把
握する指標として、GDPギャップに着目する。具体的には、税
制改革の実施の前に、GDPギャップがゼロに近くなっているか、
もしくは、プラス(需要超過)になっているのか、確認する。

GDPギャップとはGDP統計が発表された後に、内閣府がGDPギャッ
プを試算しホームページで公表しているものである。内閣府の
ホームページによると、GDPギャップとは、「GDPギャップ=
(現実のGDP-潜在GDP)/潜在GDP」で定義されるものである。
簡単に言えば、日本経済が働く意欲のある人が働き、また、工
場などの設備も順調に稼働するなど、潜在的な力を十分に発揮
し、過熱もしていない状況であれば、GDPギャップはゼロ。

一方、現在の日本経済のように働く意欲があっても働くことが
できない人がおり、また、工場が十分に稼働していない状況で
は、GDPギャップはマイナスとなる。

 内閣府の11月の推計によると、現在、日本経済のGDPギャッ
プはマイナス3.5%、金額で考えると大雑把に言って20兆円前
後という非常に大きな潜在的な力を持て余している状況だ。

デフレから脱却し、GDPギャップがゼロに近い水準、もしくは
プラスの状況であれば、税制改革により、一時的に景気が落ち
込んだとしても、日本経済は、再び、持続的・自律的な回復過
程に復元する力を持ち合わせていると考えることができるだろ
う。

前にも述べたが、GDP成長率は、復興需要や消費税増税前の駆
け込み需要など、特殊要因があると上ぶれることになるなど、
日本経済の景気回復過程を写す鏡としては不適切だ。

http://mabuti-sumio.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-d86b.html

これに対し、GDPギャップは、雇用の状況や工場などの設備の
稼働率なども含めて、総合的に日本経済の断面図を示している
と言える。

2.「国際経済の動向」を見極める上での具体的な事項
「国際経済の動向」については、米国やユーロ圏、英国、中国、
韓国、ASEAN諸国など、日本と貿易や金融上のつながりの強い
国の経済動向を、IMFやOECDなどの国際機関の見通しをもとに、
把握していく必要がある。

現状であれば、特に、ユーロ諸国の動向は金融、貿易両面を通
じて日本経済に大きな影響を与えるうるため、注意が必要であ
ろう。具体的には、欧州債務危機が一段落していることが必要
だ。
消費税増税前には駆け込み需要が発生し、税率引き上げ後には
一時的に耐久消費財や住宅投資を中心に落ち込むことは1997年
の消費税増税の経験を見れば明らかである。そのような中で、
国際経済が順調に推移していない場合、輸出も伸び悩み、日本
経済は内需、外需ともに下押し圧力が働き、景気の低迷に悩ま
され続けることになる。

3.税制改革の成功の鍵を握る金融政策
 以上「景気回復過程の状況」や「国際経済の動向」を考える
上での具体的なポイントを示した。税制改革を実施するための
ハードルが高いように見えるが、日本銀行が日本経済の状況を
踏まえて、徹底的な金融緩和を行うことにより、ハードルは非
常に低くなる。

 以下、日本銀行が真面目にデフレ脱却に取り組んだ場合の考
え得るシナリオを示そう。
日本経済は1990年代半ば以降、デフレ下にあり、20年近く経済
の低迷に苦しんできた。そこに本年3月11日、東日本大震災が
日本を襲い、現在は、異常な円高に苦しんでいるところである。
一方、政府は震災からの復旧・復興に全力に取り組んでいると
ころである。つまり、財政は震災により拡張的なスタンスとなっ
ている。ここで金融政策が量的緩和の拡大を通じて徹底的にサ
ポートすることによりデフレから脱却できる可能性が非常に高
い。

 具体的には、日本銀行が、2%以上の消費者物価上昇率が1年
以上継続することを確認するまで、国債買い切りオペの増額を
通じた量的金融緩和を続ければデフレから脱却することになる
だろう。
日本銀行は、2000年8月のゼロ金利解除や2006年3月の量的緩和
の解除など、デフレから安定的に回復したことを確認せずに早
急に金融引き締めを行った過去を持つ。そこで、上記の2%以
上の消費者物価上昇率が1年以上継続することを確認するまで
量的緩和政策の拡大・継続を宣言する必要がある。

 仮に日本銀行が以上のような宣言を行えば、為替相場も異常
な円高から円安方向に動くことになる。現在、震災の復旧復興
需要という特殊要因が日本経済を支えているが、円安方向に推
移することにより、震災の復旧・復興需要が剥落した後も、外
需や民間の設備投資などを誘発し、GDPギャップがゼロになる
方向に日本経済は推移することになるだろう。

これにより、税制改革を真に実行に移すことができるようにな
る。

今日の税調では、GDPギャップを指標としてかつ、遅行性があ
るが統計数値として信頼が高い失業率を用いてトリガー条項を
書き込んではどうかとの提言をした。

外的環境要因の変化によって、増税どころではなくなることを
認識しなければならないと、僕は思っている。

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横綱相撲はどこへ!?

 御用納めの今日も、税調・社保税一体改革調査会合同総会が
朝から開かれた。

消費増税の時期と幅についての税調役員からの提示。
2013年10月に8%、2015年4月に10%と初めて具体が示された。

 2014年から団塊の世代全てが一斉に年金受給者となるため、
2015年までに図るのがギリギリのタイミングだとの説明。さら
に政権担当期間中には上げないという意味で衆院任期満了の
2013年8月を過ぎてからの執行だという。もちろん、段階的引
き上げで事業者への配慮から1年は準備期間を置くと考えると、
2012年には消費税法案を通したうえで閣議決定が必要になる。
何のことはない、5月の「成案」で記された時期については
「2010年代半ば」からは再度、元の政府案の「2015年度」に逆
戻りすることになる。

政権担当期間中には上げない、ということから選挙後に執行。
しかし、選挙前に通す法案と閣議決定により民主党が政権を担
おうが担うまいが、増税は執行されることになる案。

これで、民意を問うと言えるのか!?
ペテンもいいところだ。

 さすがに、これでは国民に受け入れられないだろう。
離党の9人については残念だが、本当にごまかしはやめないと
いけない。

原発事故収束宣言も、冷温停止状態宣言もそうだ。
さらに今日の沖縄防衛局の県への環境影響評価書の未明の運び
込みは、あまりにも姑息に映る。小手先のごまかしはもう続け
られないはずだ。

 僕は代表選挙で増税は今行うべきではないと主張して、敗れ
去った。党内におけるトップを選ぶという極めて重要かつ民主
的なプロセスの中で、僕の訴えは圧倒的に退けられた。
そして、敗れたものとして決した結果については従うべきとし
て発言は控えてきた。
このような時に増税を行うべきではないという持論はひと時も
変わらないが、組織を乱すようなことは厳に慎むべきと思って
きた。
しかし、さすがに今日は発言した。

 もはやそもそも論は言わない。

代表選から4か月。
外的環境要因の変化がある。
だから、野田さんが金科玉条のようにしてきた附則104条の規
定通り、増税の前提となる「景気回復過程の状況」を見極め柔
軟に対応する「仕組み」について、きちんと整理し書き込むこ
とをしなければならないと申し上げた。

「財政状況等を総合的に勘案し・・・政府が必要と判断する場
合は・・・措置を講ずる」などではだめなのだ。

 これは、いわゆる弾力条項の「チマチマした技術論」の話で
はない。
国民生活を考えた時、景気の状況にリアルに対応する最も重要
な観点なのだ。

 今必要なのは、脇目も振らず電車道を走って土俵から突き落
とすなどという相撲ではないはずだ。
景気という「生もの」とがっぷり四つに組んで、果敢に対応す
べき時ではないのか。
ましてや、猫だましや八艘跳びなどの変化相撲の立ち合いであっ
てはならない...。

かつて、野田さんにお仕えし、野田グループの前身である「横
綱を囲む会」立ち上げにチャーターメンバーとして参加したも
のとして、残念でならない。

野田さん、横綱相撲はどこにいったのですか!!!

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2011年12月25日 (日)

長女の引越し

 この三連休で、大学4年の長女が宿舎を出て行った。

娘が使っていた部屋はガランとした。

 来春の就職も決まって、卒論も書き終えたとのこと。
社会人として自立し自分の力で生きていくのだから、もう、助
走を始めなさいと、宿舎を年内に出るように言いつけていた。

親の庇護のもとにいるのもあとわずか。
そんな中で、勘違いがあってはならない。
世間は厳しい。
厳しい世の中の風に、早めにあたっておいた方がいい。

自分が出したものは、自分が片づけなければ出たままになって
しまう、一人での暮らし。
日用品も、ない時にはないなりにしか暮らしようがない、自活。

この当たり前のことを、国会議員の父と暮らしてきた中で、君
は失ってはいないか、と彼女に質した結果の答え。

 自分でアルバイトして、不動産屋をあたり、小さなワンルー
ムを探してきた。働き出して自分の生活を確固とするうちに、
余裕ができればまた引越せばいいだろう。

「部屋にテレビも冷蔵庫もないのはいいんだけど...、洗濯
機、ください...」との娘の願いに、もう古くなってしまっ
た宿舎の洗濯機を持って行っていいよ、と告げた。
新しいのを買い与えるわけにはいかない。
友達と一緒にエッチラオッチラ、運んで行った。

 親は、子どもと離れるために子育てをする。
子どもが自立することを願って、厳しくする。

参議院の谷岡郁子先生から、「おなかの中にいるときはどこに
行くのも一緒。でも、生んだ後は私の身体から離れる。そして
あとは、離れて生きていくために、子どもを育てる」とお嬢さ
んの子育て話を聞いた。

僕はおなかに子どもを宿したことがないので、同感なんて畏れ
多くて言えないけれど、離れるために子どもを育てるというの
は、まったく同じ想いだった。

次女は嫁いだ。
長女は就職を前にして、独立していった。

どんどん、巣立っていく。

我が家には、まだ小学生がいるけれど、親の子離れ、子の親離
れが進んでいく。

 そして、宿舎は、カギを開けると、電気のついていない静か
な部屋に、また戻った。

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2011年12月24日 (土)

そして、もんじゅへ

 6時に東京の宿舎を出て、福井県敦賀へ。
原子力バックエンド問題勉強会役員の面々と共に独立行政法人
日本原子力研究開発機構(JAEA)の高速増殖炉「もんじゅ」の視
察。

ここにも鈴木理事長以下幹部揃っての出迎えを受け、短い時間
ではあるがナトリウム取扱研修施設から高速増殖炉研究開発セ
ンター「もんじゅ」の原子炉格納容器内、炉内中継装置、補助
冷却設備、空気冷却気室及び中央制御室を見学、説明を受ける。

 95年のナトリウム漏えい事故からの教訓による安全管理の強
化並びに昨年の炉内中継装置の落下事故の復旧作業を終えて、
JAEAとしては今年度見送った40%出力プラント確認試験を何と
か新原子力政策大綱と新エネルギー基本計画の方向性を受けて
実施の判断を行いたいとの強い思いがある。

また、40%のみならず100%出力確認試験を終えてこそ、実用化
の道筋を明らかにすることができるというのがJAEAの発想だ。

現場の責任者はじめ関係者は「何とか、実用炉への道筋をつけ
るために出力確認試験を段階的に進めたい。それでなければ、
これまでのすべてが水泡に帰す...」と神妙な面持ち。

茨城県大洗町の「常陽」が「実験炉」。
そして福井県敦賀の「もんじゅ」が「原型炉」。
この先さらに、「実用炉」、「商用炉」へと続く壮大な計画。

 しかし、一方でナトリウムという極めて取扱を慎重に行わな
ければならない金属を用いた冷却システムの複雑さ、困難さは
研修施設やプラント視察だけでも十分うかがい知れる。

福島第一の事故による原子力政策の抜本的見直しの必要性を、
単に「研究開発を無駄にしてはならない」という今までの観点
から眺めているだけでは、コトは何も変わらない。

視察後のマスコミのぶら下がり取材でも、我々は今のJAEAの前
がかりな姿勢とは違う、と話した。

 雪に煙る敦賀では、三連休で行楽に出かけてきた旅人のほこ
ろんだ顔を多数みた。
バックエンド問題で原子力政策に頭をめぐらし渋面の僕らも、
そろそろ、世の中のクリスマスイブの雰囲気に戻らなきゃ世間
からかい離してしまうかもしれない、と笑顔で列車に乗り込む。

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2011年12月22日 (木)

増税議論に際しての整理

 増税議論が佳境なのだが、社会保障の中身については給付の
拡大については前向きで、一方削減についてはどんどん先送り
されていることに対する経済界の不満は大きい。

本来行うべき給付の見直しが十分に行われず聖域化されている
ことに対して、結局保険料負担増となれば国民と事業者が背負
うことになり、増税で景気後退が懸念される中での国民と併せ
て事業者の不安は相当大きい。

 更に若年世代にしてみれば、ないがしろにされている感は極
めて強い。当然と言えば当然だが、社会保障改革を議論してい
る当局・霞が関内ですら世代間での温度差が歴然としている、
と担当の役人がぼやいていた。

再度改めて、社会保障の全体像を見直さなくてはならないのは
明らかだ。

 そして、かねてより増税を主張してやまない野田さんが、民
主的プロセスである代表選で選ばれて総理となってそれを推進
するのは当然だろう。

もちろん、デフレ脱却と景気回復を最優先とする僕とはまった
く考えが違う。
しかし、その自らの訴えは代表選で圧倒的な完敗という結果で
退けられたのだ。

したがって僕が今できることは、あの8月29日からの時の流れ
により、近い将来に起きるかもしれない外的環境要因の変化に
よる経済危機下での対応をどうするかを考えることだと思って
いる。

そしてそれこそ、野田さんが代表選でも金科玉条のように掲げ
ていた法定(所得税法等の一部を改正する法律附則第104条)さ
れている年度内の「必要な法制上の措置」の仕組み規定である
「景気回復過程の状況、国際経済の動向等を見極め、予期せざ
る経済変動にも柔軟に対応できる仕組み」に大きくかかわるも
のなのだ。

 ここで、附則104条に関する考え方と留意点を示したい。

 日本は更なる高齢化に直面することから、税制の抜本改革は
必要なことであるが、税制改革により景気が腰折れし、税収が
減収となっては、当初の改革の目的を達成しない。そのため、
「景気回復過程の状況」や「国際経済の動向」の考え方につい
て、共通の理解を持つことが重要となる。

1.「景気回復過程の状況」の留意点について。
 景気回復過程の状況を見極める上で、日本経済が持続的・自
律的な回復過程にあるのかの見極めが重要。これは、税率の引
き上げの影響により日本経済に負荷がかかることになるが、持
続的・自律的な回復過程にある場合には、負荷を吸収し、経済
を安定軌道に戻す復元力が働くが、しかし、仮に駆け込み需要
や震災復興などの特殊要因により景気回復の過程にある場合に
は、税率の引き上げに伴う負荷(駆け込む需要の反動、所得減)
により、日本経済が減速したまま景気回復過程に戻らず、税収
も上がらないという本末転倒な結果を招くリスクが高まるため
だ。

ここで、日本経済が持続的・自律的な回復過程にあるのか判断
する上で、(1)特殊要因の見極め、(2)デフレからの脱却・金融
システムの健全性の確認、が必要となる。

(1)特殊要因の見極め(駆け込み需要・復興需要等)
 景気回復過程の状況を判断する上で、持続的・自律的な回復
過程に比べ、特殊要因によりどの程度景気が押し上げられてい
るのか、見極めが重要。具体的には、消費税の引き上げ幅にも
よるが、耐久消費財や住宅投資を中心に駆け込み需要により、
消費税導入前1年間は、一時的な消費ブームが起こる可能性が
十分にある。特に消費税率の引き上げ幅が大きい場合には、過
熱度合いが高まる可能性が大きい。しかし、増税後、駆け込み
需要が剥落し、経済に負の影響が発生する。仮に、日本経済が
持続的・自律的な安定軌道に乗っている場合には、増税の負の
ショックを吸収できる可能性が高いが、駆け込み需要に依存し
た景気回復過程の場合には、増税後、大きく経済が後退する蓋
然性が高まる。

 また、今回の東日本大震災の復旧・復興が遅れているとの指
摘がある中で、今後、復興が本格化することにより、公的需要
が大きく伸び、成長率も嵩上げされる可能性がある。このよう
な景気回復過程は、復興需要が剥がれ落ちた後に反動減に直面
することになる。仮に、そのような状況下で増税を行った場合
には、復興需要の剥落とともに日本経済に対し、大きな負荷を
与えることになる。

(2)デフレからの脱却・金融システムの健全性の確認
 デフレにより日本経済そのものが脆弱になっていることに留
意が必要。具体的には、景気回復において一時的なショックに
より景気回復から景気後退局面に陥りやすくなっている。また、
金融システムが健全に機能していることが持続的・自律的な景
気回復には不可欠。金融システムが健全に機能していない中で
は、負のショックが増幅され、景気が安定軌道から外れる可能
性が大きくなる。

 90年代以降、日本の景気の拡張局面は、2000年代の景気回復
を除き、比較的短い期間となっている。97年の消費税増税の繰
り返しをおこさないために、デフレでないこと、金融システム
が安定していることを確認する必要がある。

 上記のことを留意しながらさらに課題となるのが、「具体的
な数値目標の設定の難しさ」である。
「景気回復過程」を考える上で、GDP成長率や失業率の具体的
な数値で判断することは難しいのではないかと考えられる。

例えば、実質GDP成長率については、大震災や世界金融危機の
ような大きなショックが発生した後には、成長率はマイナスに
なり、その後、比較的高い成長率となる。また、消費税増税前
には、駆け込み需要が発生し、高い成長率を達成することにな
る。つまり、高い成長率は持続的・自律的な日本経済の景気回
復過程を意味していない。
 また、失業率は景気に対し遅行的な指標のため、失業率が改
善しているときには、すでに経済がピークを迎えている可能性
がある。さらに、失業率は分子が完全失業者数、分母が労働人
口となるが、失業者が職探しをあきらめた場合、失業者数が減
少し、失業率が一時的に改善する場合があることが指摘されて
いる。

こう考えると、景気回復過程の指標をどう考えるかということ
にも相当の注意が必要だ。

2.「国際経済の動向」の留意点について
 税制改革の実施前後に海外経済が順調に推移していることは
極めて重要。特に、改革実施後に耐久消費財を中心に消費の反
動減が予見される中、日本経済が持続的・自律的な景気回復過
程にあるためには、海外の景気が安定し外需が順調に推移して
いることが必要となる。例えば、97年の消費税引き上げ後の97
年夏にアジア通貨危機が発生し、日本経済に大きな負のショッ
クをもたらした。仮にアジア通貨危機がなければ、97年の日本
の金融危機も別な姿になっていた可能性がある。

 世界金融危機についても、震源地は米国や英国などの欧米諸
国であったが、欧米諸国の外需の大幅な減少を通じて生産が急
落し、失業率が急速に高まるなど、日本の景気が大きく落ち込
んだことは記憶に新しい。また、経済のグローバル化が進む中
で、海外で発生した金融危機は、瞬時に伝播し日本の金融シス
テム不安をもたらす可能性がある。

これらを踏まえると、「国際経済の動向」に対し細心注意を払
う必要がある。具体的には、国際機関が発表する世界経済見通
しをもとに、慎重に世界経済の動向を見極める必要がある。

 このような考えのもとに、円高・欧州危機等対応研究会を発
足したのだが、いずれにせよ上記二項については具体策を示し
ていかなければならない。

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2011年12月20日 (火)

「常陽」に見るセネカの詩

 昨日は昼より原子力バックエンド問題勉強会の役員で、茨城
県東海村と大洗町の独立行政法人日本原子力研究開発機構
(JAEA)の再処理関連施設を視察。
朝イチの松山市駅前での永江孝子代議士との街頭演説を終えて、
羽田から上野そして東海へと飛行機・車・JR乗り継いでの茨城。

鈴木理事長以下幹部の皆さんの出迎えをいただいて概要説明か
ら視察に入る。東海村では、再処理施設分離精製工場やガラス
固化技術開発施設、地層処分基盤研究施設などを視察し、車で
大洗町に移動して高速実験炉「常陽」、照射燃料集合体試験施
設を視察した。

バックエンド問題の課題に向き合っていく覚悟であるとの当会
の意思について理解いただき、丁寧な説明を受けた。

勉強会としてはすでに11回を重ね、現場視察も含めて年末から
年始にかけて取りまとめの段階に入ろうとしてる。
利害調整のみならず、論点整理すらできていなかったと言わざ
るを得ないこの問題について、いよいよ本格的に議論を深める
ところに差し掛かる。

 高速増殖炉「もんじゅ」の前提となる実験炉「常陽」の炉内
にも入る。

さすがに老朽化は痛感する施設でもある。

「常陽」炉内に入るとすぐその足元の床には円形に、ラテン語
が書かれていた。

古代ローマ時代の詩人であり哲学者セネカの詩の一節だ。

「『かくも明白な事実を我々が今やっと体験した』ということ
に、子孫たちが驚くときが来るであろう!」

 77年4月に初臨界を実現した当時の原子力にかける夢と希望
を刻んだのに違いない。
往時の熱気を感じさせる一節でもある。

そして一方で、3.11の災禍による福島第一の事故を経験した今、
むしろ敬虔な気持ちでその「明白な事実」の先にある未来に目
を向けなければならないであろう。

セネカの別の詩の一節。

「我々の計画というのは、目標が定かでないから失敗に終わる
のだ。どの港へ向かうのかを知らぬ者にとっては、いかなる風
も順風たり得ない。」

これも刻まなければならない。

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2011年12月16日 (金)

外環道建設について

 先日、猪瀬氏の論文で具体的に指摘があったことについては
持論を述べた。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111212/293418/?rt=nocnt
http://mabuti-sumio.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-1937.html

そのうえで論文の本旨である外環道については、様々なご意見
があると思うのでここであらためて私見を述べておきたい。

 環状道路の必要性については論を待たないし、これまでも否
定してきたことはない。

そして、今回の東日本大震災で、災害支援においてこの外環区
間がネックになったという事実は一切ない。

 救援活動に必要な道路機能には、遠方からの救援物資などを
運搬する放射状の高速道路の通行確保が第一である。
そのため、放射道路の多重化、構造の耐震強化が重要となる。

さらに都市内においては、これらの放射道路のICから避難施設
へアクセスする幹線道路の通行確保が重要となる。

つまり、都市内では、外環道のようにICによって入出路が限ら
れてしまう高速道路の整備よりは、環八など、放射線状高速道
路ICから避難所へアクセスする一般道路の沿道建築物の耐震強
化、不燃化の方がより重要なのである。

また、外環道は、大深度に建設される特殊な構造の高速道路で
あるため、大震災発生時の救援活動に過度の期待を寄せること
は避けるべきである。

 そのうえで外環道の整備について言えば、合併施行によって
早期整備が可能になるという「整備手法による解決」というの
はもはや幻想にすぎないことは、以前にも述べた。

 さらに、外環は大きな交通需要が見込まれるが、桁違いの巨
額の事業費を考えると、そのほとんどを税金で整備せざるを得
ないことは明らかである。通常の高速道路建設費は、1km当た
り数十億円程度だが、外環はおよそ1000億円規模。一方、得ら
れる料金収入は、通常の高速道路とほとんど変わらない。

過去の合併施行方式においては、有料道路事業費の額は、将来
交通需要から見込まれる料金収入によって決まる仕組みであっ
た。
また、その将来交通需要は、国土交通省が決めており、高速道
路会社が競争することによって変わるような余地はない。

 さらに、管理コスト、資金調達コストも高速会社間でほとん
ど変わらないため、有料道路事業費の額は、会社間でほとんど
変わらない。

繰り返しになるが、そもそも高速会社により多くの借金をさせ
て料金で償還させ、税負担を軽減するという発想は幻想にすぎ
ないのである。

 高速道路無料化政策の根本の考え方は、今ある高速道路とい
う国民の貴重な財産を最大限有効活用し、より多くの潜在的効
果を引き出すことにある。

料金がネックとなって使われない路線は、完全に無料化し、日
常交通にも解放し、最大限の有効活用を図る。
都市部の路線では、交通需要管理(TDM)の観点から、十分影響
を確認しつつ、最適な料金施策を検討する、というのが骨格だ。

 特に首都高速、阪神高速に代表される、大都市圏の高速道路
ネットワークは、TDM施策の実施や管理の効率化の観点から、
有料道路とすることが現実的である。
外環も、接続される高速道路が全て有料道路であることを考え
ると、有料道路にすることがよりネットワークの効果を発揮で
きると考えられる。

また、外環をほぼ全額国費で作らざるを得ないことは、高速道
路無料化とはまったく関係ないことであり、高速道路会社の経
営状況は、これ以上借入金を増やすことによって建設が出来る
ような状況にないことは明白である。

 そもそも外環の整備手法と、高速道路無料化とはまったく関
係ない話だ。
民主党は、新たな借入金を増やしてまで無料化を実施する考え
はなく、ましてや建設のために高速道路会社の借入金をこれ以
上増やすことは考えていない。

無料化施策は、今ある借入金をどのような手段で返済するか、
という議論である。すなわち利用者のみが負担するのか、幅広
い受益者が負担するのか、という道路という公共財に対しての
本質的な問題を問うているのである。

 麻生政権は、景気対策と称して、本来は当初予算で時間をか
けて判断すべき、外環という巨額な費用を要する事業について、
形だけの国幹会議の審議だけで、補正予算であるにもかかわら
ず無理矢理新規着手した。

通常、補正予算では新規事業は採択されない。このため、政権
交代後、補正予算に計上された新規事業、4車線化事業につい
ていったん凍結し、時間をかけ、再度その必要性を厳密に検証
した上で、次年度の本予算において必要な事業費を計上した。

 通常の事業と同様に、外環道事業も、開始当初は測量及び試
験費が主体であり、多くの予算を必要としない。
その後、用地買収の進捗などに応じて、本格的な工事が可能と
なる段階では、予算の増額が必要となる。
このため、事業開始当初の予算額によって100年かかると表現
することは道路事業を理解していないに等しい。

トンネル工事に着手するのは、そのために必要な用地買収が完
了するなど、着工に向けた準備が整ったためであり、整備手法
が紆余曲折したためではない。

 そもそも民営化の成果は、個別路線の収支を明らかにしただ
けで、民営化後の建設手法については、その個別路線の料金だ
けで整備されているのではなく、ほとんどが既存の高速道路の
収入によって整備されているだけである。

つまり、道路公団時代と何ら変わらないのである。
高速道路会社そのものに国費を投入して不採算路線の整備が可
能となる手法がなくなったことは評価できるが、合併施行は形
を変えた同じ手法に過ぎず、まだ今後も、高速会社が借入金を
増やすことにより、建設が可能であるという発想こそ改めなけ
ればならない。

たとえ有料道路とすることが有効な場合であっても、高速会社
の投資は、最小限度の施設にとどめなくてはならない。

 外環の整備を有料道路方式を基本とするなど、まだ今後も、
高速会社が借入金を増やすことにより、建設があたかも永遠に
可能であるという発想こそ見直さなければならないものなのだ。

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2011年12月15日 (木)

チェルノブイリ法に学ぶ移住権と帰還権

 原子力災害を被ったものとして、チェルノブイリ被災地に学
ぶことは多い。

原発事故収束担当の総理補佐官時代もチェルノブイリ関連の情
報のアクセスは頻繁にかつ密に行っていた。

そして、今、原発事故収束PTでもチェルノブイリ法を学びなが
ら検討を開始している。
現代経営研究所の尾松亮(おまつりょう)主任研究員からの話を
聞いた。

1990年4月25日のソビエト連邦最高会議決議N1452-1にはチェル
ノブイリ法採択前の状況が、真摯にかつ厳しく次のように記さ
れている。

「放射能汚染の被害を受けた地位の社会的政治的状況は、極め
て緊迫したものとなっている。原因は学者や専門家たちによる
放射線防護に関する提案が互いに矛盾していること、不可欠な
対策の実施が遅れていること、そしてその結果として住民の一
部が地方や中央の政治に対する信頼を失ったことである。事故
被害の状況の本格的な調査や、根拠ある対策プログラムの策定
は遅れている。このことは放射能被害を受けた地域住民に法的
根拠ある憤慨を引き起こしている。」

まるで、今の我が国の状況を表しているかのようだ、と驚嘆す
る。
そして、そのことは、自らも当事者の一人として重く受け止め
なければならないと思っている。

さて、チェルノブイリ法は事故被災地を「義務的移住」、「移
住権付与」、「移住権なし」と区分し「移住権」を規定してい
る。

 この移住権はチェルノブイリ法17条で、強制移住対象地域外
で、放射線量・土壌汚染度が一定レベルを超える地域で他地域
への移住を希望する住民に移住費用、喪失資産補償、移住先で
の住宅・雇用支援を受ける権利として規定している。当該地域
では居住継続も認められ、居住者に対しても一定の支援がなさ
れるようになっている。その付与基準は、1ミリシーベルト/年
超と土壌セシウム137濃度が15キュリー/平方キロメートルであ
る。

当時のソ連では土地の私有が認められなかったため、喪失資産
の補償には土地は含まれてはいないが、「住まう権利」と「移
る権利」を規定することにより極端な流出を防ぐことに効果的
であった。さらに、チェルノブイリ法には規定されていないが、
帰還権をセットで考えるべきであるとの議論は注目したい。

 「帰還権」とは国の避難指示で移住を余儀なくされた住民及
び移住権を行使して他の地域に移住した住民が、一定の期間を
経て元の地域(居住禁止地域を除く)への帰還を希望した場合に、
移送できない資産の補償、帰還の費用、帰還先での住宅確保・
就業に関わる支援を受ける権利である。

これこそが、一方通行の人口減少を防ぐ手立てになるとの尾松
さんは力説する。

原発事故収束PTでも、順次議論を行っていく。

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国防授権法案での予算削減

 12日、米国上下院両院協議会でグアム移転関連予算1.56億ド
ルの削減が可決した。5月12日の下院軍事委員会では政府要求
通りの削減なしで可決し。しかしその後の6月16日の上院軍事
委員会では1.56億ドル削減と既存予算執行のための四条件が付
された。海兵隊出身のウェッブ上院議員、レビン軍事委員会委
員長、マケイン上院議員らの政治的行動によるこうした委員会
決定は、上下院で全く異なる判断となった。

 四条件のうち最も我が国に影響を与えるものが、この秋の国
連総会時の日米首脳会談でオバマ大統領から野田総理にも迫っ
たとされる「普天間代替施設の具体的な進展の証明」だった。

日本でも、環境影響評価書の提出が年内かと注目されているが、
米国においてもグアム移転の環境影響評価の遅れもあった。人
口17万人程度の島に5万から7万と言われている雇用者が流入す
るにはインフラが不十分ということで昨年の夏にやっとアセス
が終わったという事情もある。すなわち、日米双方お互いに課
題を抱えながら、なのだ。

そして、委員会がねじれの結論のまま、5月26日には下院本会
議、12月1日には上院本会議でそれぞれ可決され、両院協議会
に付されていたのだが、その結論が12月12日に示されてたもの
だった。

 今日、明日にも、米国上下院本会議で議決されるが、1.56億
ドルの削減はこれで決する。そして来年初頭の大統領署名へと
突き進むことになるだろう。

論理的には、大統領は法案の拒否権発動は可能だが、選挙を控
える立場で言えばここで上院の判断に立ち向かうとは考えがた
い。

米国の予算は、法定されて初めて執行できる。
一つは「授権法案」。国防であればその予算枠を決定すること
になる。その国防授権法案が今回上院の可決通り削減された。
一方、授権法の範囲内で歳出内容を決定する法律がある。
それが、軍事建設歳出法案である。これら二本で予算執行が行
われていくのだが、自ずと授権法案が削減となれば、執行予算
も削減となることになる。

 したがって、今回の決定は米国側にとってもよりいっそうこ
う着を招く結果になることは十分理解しつつも、議会には抗え
ないという日本と同様の構図が現出しているということだ。

日本だけでなく世界中が、混沌とした状況に入りつつある。国
内における地域事情、議会事情、さらには国際情勢並びにパワー
バランスと、複数の要因が複雑に絡みながら物事を決していか
なければならない。

 日米共に、政権にとっては緊張の連続だ。

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バックエンド問題の検証も収束に向かって

 原子力バックエンド問題勉強会は10回目を数えた。
今日は、環境エネルギー政策研究所の飯田哲也先生をお招きし
ての講演。かつての経産省の改革派による「19兆円の請求書」
も資料として提示しながら、飯田先生のバックエンド問題に対
しての論点整理を示される。

僕なりの素案の整理はしつつも、当会は年内においては「米国
の原子力の将来に関する有識者委員会(ブルーリボン委員会)」
のアリソン・マクファーレン委員(ジョージメイソン大学環境
科学政策准教授)の講演を16日に行っていただく。

その後は茨城県東海村、青森県六ヶ所村さらに福井県のもんじゅ
視察を行い、年内最後にたたき台の素案を準備していきたいと
思っている。

極めて、まじめにかつ真剣に討議してきた当会であるが、年明
けには提言骨子の取りまとめに入りたい。

しかし、大変なのはここから。
論点の整理は問題ないと思っているが、要は、このバックエン
ド問題を全国民が自らのこととして判断し選択しうるかという
課題に直面することになる。
これは、原子力のみならず、国民が自ら行ってこなかったこと
を改めて判断することにもなる。

極めて重い議論になる。

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2011年12月14日 (水)

下水道管に入る

 昨年のAPEC時のインフラ担当大臣会合で、国交大臣として海
外へのトップセールスを行ったものの一つに下水管路の「更生
管路工法」というのがあった。
SPR(Sewage Pipe Renewal)工法と称するもので東京都などが主
体となって進めてきた管路の補修・長寿命化工法の一つだが、
その後も大臣視察で芝浦水再生センターでも見たことがあった。

特に下水道のエキスパートというわけではないが、今回現場視
察の機会を得て、東京都文京区千石の現場に伺う。
白山幹線再構築工事ということで昭和7年の築後80年の馬蹄形
下水道管路の更生工事。

SPRとは、簡単に言うと、老朽化した管路の内側を硬い塩ビの
シート(帯)で巻いていく工法。これにより、開削工事は不要と
なり工費、工期共に半減となる。また、下水を止めることなく
ライニングをして管路の更生工事ができるので、住民への負担
が大幅に減じられる点も大きい。

 下水道管に入るのは、二十数年ぶりか。三井建設の新入社員
時代に研修で入った記憶があるが、都市土木の中でも厳しい作
業環境だった。

都下水局の建設部長から、「一滴ルール」を聞く。
一滴でも雨が降れば、作業中止、現場からの撤退、だそうだ。
確かに狭い管路内での工事。雨による突然の増水など命に係わ
る可能性もある。

 天を見上げながら、雨降りそうだけど大丈夫、とホッとして
作業着に着替え、マンホールを降りる。
臭いますけど、と言われるが、さほど気にならない。下水道管
路の中は比較的温かい。SPR工法で施工済みの現場と未実施の
現場を見るが、施工技術の苦労の跡がうかがえる。
全国42万キロの下水道の老朽化が進む中、その更生工事は今後
ますます増えていく。

厳しい作業環境の話になって、かつて、圧気の現場にも入った
と現場の所長さんに言うと、「もう、だいぶ減りました」とに
こやかなお返事。

公共工事の是非がとかく言われがちだが、人目に触れることの
ないこうした事業の重要性と我が国の技術の高さと真摯な作業
従事者の皆さんの努力に頭が下がる。

 作業着を着替えて、国会に戻る。

お風呂入らなかったんですか?と事務所の女性スタッフに聞か
れるが、その必要ない!と一言。

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2011年12月13日 (火)

「難癖」とは何事か!

 高速道路の問題について、片腹痛い「誹謗中傷」が行われて
いるが、そろそろいい加減にしろとの想いで発言をしていかな
ければならないだろう。

 大臣退任以降、在任中の判断や指示については組織としての
いわゆるゴーイングコンサーンを慮って発言を控えていた。

本来ならどうでもいい類の発言なのだが、あまりにも論点が時
代とずれ過ぎているので、さすがに今日の猪瀬氏の発信には黙っ
ているわけにはいかない。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111212/293418/?rt=nocnt

以下、上記の猪瀬氏の論文を参照のうえ、かつ道路問題にある
程度造詣深い方に対しての発信ということで、多少専門的な話
であることをご容赦いただきたい。

 これまで、合併施行方式は、高速自動車国道への採用実績は
なく、主に一般国道の整備に適用されてた。その制度が作られ
た当初の目的は、料金収入だけで整備が困難な不採算区間につ
いて、料金収入と税金の両方の財源を投入することにより、よ
り早く開通させることを可能とすることだった(ここまでは良
し!)。

しかしながら、近年の将来予測交通量の減少、建設費の高騰に
より、全体事業費に占める有料道路事業費の割合は1割にも満
たず、そのほとんどを税金で整備する事業が増えてきており、
早期開通を目的とした建設のための手法ではなく、事実上、維
持管理のため財源を調達する役割しか果たさない手法となって
いた。

 そのわずかな有料道路事業費も、過大な経済成長を前提とし
た将来交通量推計(これが、最大の問題!)によって算出された
料金収入によって返済されるものであり、将来の景気悪化に伴
う料金収入減少による採算悪化のリスクを抱えたものである。

このことは、高速道路会社の毎年の料金収入が、計画上の数字
よりも大幅に下回っていることからも明らかである。
また、各高速道路会社が、黒字の決算を公表していることは、
単なる日銀の低金利政策の結果、利子負担が一時的に軽減され
ているからに過ぎず、この低金利といえども、欧州の国債暴落
危機という経済状況を見ても明らかなように、景気の動向にか
かわらず、利子負担も将来的にいつ上昇に転じてもおかしくな
い状況にある。

 9日に発表された、高速道路のあり方検討有識者委員会の中
間とりまとめにおいても、外環の整備手法は、利用者負担によ
る有料道路方式を基本とすべきとの提言がなされているが、今
後、将来の料金収入が景気の悪化とともにさらに計画を下回る
リスクがあること、また将来金利上昇のリスクがあることを考
えると、各高速会社は、今後、借入金による新たな高速道路建
設を行わないことを基本とすべきであり、真に必要な高速道路
整備は、厳格な事業評価及び国会審議を経た後、国が責任をもっ
て整備すべきであると考える。

 一方、今回の外環を含む大都市部の環状道路など、周辺の高
速道路と一体となった料金施策を講じることにより、渋滞解消
などの効果があるTDM(トランスポーテーション・デマンド・マ
ネージメント:交通需要管理)施策が実施可能となるほか、管
理の効率化が実現できる場合には、当然、有料道路とすること
が現実的な場合もある。

その場合には、有料道路として維持管理することを基本とする
ものの、高速会社による建設への投資は、料金所、管理施設な
ど極力最小限のものに抑えることによって、将来のリスクを軽
減すべきである。

 繰り返しになるが、有識者検討委員会や猪瀬氏のように、こ
れ以上、高速会社に対して借入金による建設投資を期待する姿
勢はもはや改めるべきであると結論せざるを得ない。

そもそも施政の失敗を糊塗するために政策変更したなどという、
いわれなき誹謗中傷には断固、反論する。

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2011年12月12日 (月)

円高・欧州危機等対応研究会の設立

 円高と欧州経済危機に対する懸念は、この場でも再三発信を
してきた。
また、とりわけEUの対応については逐一その施策についての論
評を行ってきたものである。

 かつてのリーマンショック対応の遅さが、タイムラグによっ
て三か月後に発生した在庫過多状況の解決にさらなる時間を要
する一因となってしまったこと並びにあのような実体経済での
綻びを再び起こしてはならないとの問題意識から、現状におけ
る当局の準備対応についても繰り返しのレクを求めてきた。

しかし、残念ながら「マーケットに影響を与える」の一言で、
ほとんど中身がわからない状態が続いてた。

 仕方ないから政府当局は置いといて、EU駐日代表部の関係者
からの情報収集をコツコツと行い、こうなったら日本の経済状
況予測については、外部の環境変化をウォッチするしかないか
な、と思っていた。

 そして、漸く立ち上げたのが、「円高・欧州危機等対応研究
会」。
野党時代からリフレ政策を共に議論してきた小沢鋭仁先生を座
長に戴いてのスタート。
俗に言う、政局的な動きはとは一線を画す。

ただし、経済の外的環境要因の変化が当然ながら我が国の経済
にも大きな影響を与えることは言うまでもない。
当然、その場合にはその影響を考慮した経済政策が必要である。
「等」としたのはそのことも踏まえてだし、マクロ経済政策そ
のものを議論する場にしたいとの想いを込めてのものだ。

先週の設立総会を踏まえて、15日には実質的な第1回目として
ハンス・ディートマール・シュヴァイスグート 駐日EU大使を
お招きして「EU危機の本質」をご講演いただく。

極めて真面目に、かつ充実した中身を重ねていきたいと思って
いる。

そういやぁ、勉強会をロクに取材もせずに中身もわからないま
ま「鳴かず飛ばず」と揶揄するとんでもないマスコミもあった
から、また、同じにされるかもしれないが...。

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行脚しながらの日常活動

 国会も閉会した。僕は代表選以降、相変わらず地方行脚を続
けている。
地方というか全国行脚で、都市部も含む。

 東京都町田市では、馬淵事務所全員で自分も含めて6名が応
援手伝いに入った。
朝から櫛渕事務所の皆さんや後援会の皆さんと一緒に活動。

僕も、歩く。直接国民の皆さんの声を聴くことは最も大切。
櫛渕万里代議士と共に、歩きながら街の空気に直接触れる。
自分にとってもいい勉強だ。

櫛渕代議士の、現場主義・クリーン・行動力という強みの三点
をしっかり伝えていく。再生可能エネルギーはじめ環境問題に
取り組んできた櫛渕代議士の国政報告ニュースを手渡して歩く。
代表選挙で推薦人に名を連ね、ともに戦っていただいた同志と
して頑張りましょうね、と励ましあって岩手へ。

 岩手県は久慈市。畑浩治代議士の国政報告会並びに懇親会出
席。
9月の県議選・知事選で延べ四日間入った時からの約束。
久慈グランドホテル会場あふれんばかりの盛会の中、講演と懇
親会での写真撮影や懇談。

畑代議士は国交省出身で、一期生としてすぐに国交委員会に名
を連ねられた。委員会での質問をいつも的を射ているものばか
り。
さすがだなー、と感心していたのだがその後の震災後の復旧・
復興にも八面六臂の大活躍。被災地のニーズを的確に役所に伝
え予算措置、制度や立法にも大きく資する活動を行ってきた。

地元に本当に必要とされる国会議員としての立場を、見事に作
り上げられている。

 そうした地元活動に感心しながら、翌日は被災を受けた野田
村、普代村さらには田野畑村を案内されて視察や陳情を伺いな
がら、地域の課題の掘り起こしや解決に向けての努力に、頭が
下がる想い。

いつ選挙があってもいいようにと、常在戦場の心意気での取り
組みに頼もしさを感じながら、帰京。

 全国歩きながら、日常活動の要点をいつも確認している。
なかなか地元に戻ることができなくても、感覚だけは失うこと
なく活動を続けていきたい。

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