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2011年7月

2011年7月31日 (日)

仮設住宅と仮設職場

 お盆(8月中旬)までに希望者全員が仮設住宅に入居できる
ようにするとした政府の目標が達成できなかった、との厳しい
意見を野党からも受けることになったが、阪神淡路大震災にみ
る復興プロセスをよく検証して、仮設住宅を造ることも大切だ
がどのようなとりあえずの生活環境を築き上げるべきかの議論
が必要ではなかったかと改めて思う。

 平成7年1月17日阪神淡路大震災発災後、避難所に避難さ
れてきた避難者のピークは6日目の1月23日。31万7千人
に上った。仮設住宅の着工はその三日前の1月20日に始まり
避難者の初入居は発災後14日目の2月2日。
仮設住宅全戸(4万8300戸)は7か月後の8月11日に完
成した。仮設住宅の入居戸数ピークは10か月後の11月、4
万6617戸であった。

この間に、避難所は8.5か月後の9月30日に廃止し、どう
しても仮設への入居を希望されない方々は待機所・旧避難所の
一部継続使用等が続いた。そして2年2か月後には待機所廃止、
4年後の平成10年12月に旧避難所の廃止、仮設住宅の入居
者ゼロは5年後の平成12年1月であった。

 一方、このような避難者の仮設住宅への集約と退去の中で行
われたのが公営住宅の着工である。
仮設はあくまで仮設。安心して住める住宅を整備する必要性を
考慮して、発災後の2か月後の3月27日に災害復興公営住宅
が着工されている。
1年後の平成8年2月には災害復興公営住宅は完成し出し、全
戸完成は5年10か月後の平成12年1月だった。

こうして、仮設住宅をとりあえずの避難先として整備するとほ
ぼ同時に公営住宅を整備し、仮設から公営住宅への転居を促し
生活の質を確保するという政策がとられたことがこのプロセス
からわかる。

 東日本大震災は規模も被害も全く違うので同列に語るつもり
はない。ただ、このように生活の質をどうやって向上、維持さ
せていくかという観点が初期段階で不十分ではなかったか。阪
神淡路は確かに住宅の整備によって、生活を取り戻すことがで
きた。働く場所はまだ周辺市街地や大都市大阪によって供給可
能であった。

翻って、この震災ではどうか。
仮設住宅の話ばかりが当初は先行しすぎるきらいがあった。む
しろ、住む場所ができても働く場所がないことが今や深刻な課
題だ。

現地より、仮設の住宅だけでなく、仮設の水産加工場などの産
業への支援の声も大きい。

生活全体を考えながらの復興が必要である。

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量的緩和の効果

 金融政策としての量的緩和の効果について、いまだ「明らか
ではない」との声もあるのだが、これについては相当程度研究
が進んでいる(財務省財務総合政策研究所「フィナンシャル・
レビュー」平成22 年第1 号(通巻第99 号)2010 年2月、PRI
Discussion Paper Series (No.11A-03))。

 我が国のデフレ下の金融政策は、99年2月から00年8月
までのゼロ金利政策、さらに01年3月から06年3月までの
間のゼロ金利の下での量的緩和政策が行われてきた。
いわゆる、非伝統的金融政策である。

これらについての検証は、当初おおむね「総需要や物価に対し
て効果については検出されない」あるいは「ゼロ金利制約でな
い時期に比べて小さく、統計的に有意ではない程度のプラス」
といった消極的もしくは否定的評価が多かった。

しかし、これらはマネタリーベース増大の影響を分析するサン
プル期間が85年から04年などと、量的緩和の時期を焦点に
して行っていないなどの問題点があったと承知している。

 最近、こうした問題意識をもって実証分析がよくなされてい
る。
そして、むしろ量的緩和実施期間の実態と課題がより明らかに
されているといえる。

 一番の課題と言えるのは日銀が実施した量的緩和の買いオペ
の内容である。

白川日銀総裁が「現代の金融政策-理論と実際」でマネタリー
ベースと日銀の取引統計から量的緩和期間のマネタリーベース
の推移を記している。これを見ると、量的緩和期間に当座預金
残高は600%増、保有長期国債は160%増、マネタリーベー
スの増分の87%を長期国債残高で占めていると示している。

しかしながら、日銀のBS上の長期国債の定義は「償還期限が
一年以内の国庫短期証券を除く国債」となっていて残存期間に
ついての区分はない。そのため、残存期間が短くても長期国債
となる。残存期間が1週間でも償還期限10年物は長期国債と
なる。しかし、実態は短期証券の買い入れと同じものであり、
オペの意味合いが変わってくる。

量的緩和期間の日銀保有の長期国債平均残存期間は、5.5年
から4.0年へと低下の一途をたどった。つまり、量的緩和実
施の実態は長期国債の買いオペと言っても、残存期間1年以下
の割合が高まるオペを実施していたことになる。

白川総裁が、胸を張って実施してきたと称される量的緩和のオ
ペの内容は実は違ったということである。87%という長期国
債残高は実態上は8%にも満たない状況であった。逆に残存期
間が一年以下の長期国債を含め短期とみなされるものは60%
にも達する。

日銀が量的緩和策として実施してきたと称する長期国債オペは
短期オペに過ぎなかったと言わざるを得ない。

そして、短期オペによる量的緩和は需要刺激効果をほとんど有
しないとされる。日銀が少なくとも行った量的緩和は残存期間
の短い国債が中心となっているためバーナンキFRB議長の言
うところの「ポートフォリオ・リバランス効果(日銀当座預金
は利息を生まないため、この残高が大きくなれば金融機関はよ
り有利な運用先を求めて企業への貸し出しや債券・株式投資な
どに資金を回し実体経済に影響を与える効果)」を期待しにく
い資産買い入れだったと言える。

 量的緩和の効果が定かではない、とする日銀の言い分はこう
したオペ上の問題をはらんでいることを忘れてはならない。

そして、こうした金融当局のある意味不作為による状況をもっ
て、金融政策の大胆な実行を阻害させることだけは許してはな
らない。

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復興財源に増税は誤り

 何やら身辺あわただしくなってしまった。
今までと何ら変わらない状態なんだがな。

だから、今まで通り、淡々とそして粛々と行うべきことを行っ
ていく。

 復興の議論は、復興債の財源措置のための増税の是非に集約
されつつあることに疑念を感じる。

復興債は復興基本法の定めるところの復興資金確保のための区
分管理による公債と定められているが、償還の道筋を明らかに
するものとする、との定めから10年償還、基幹税などによる
財源措置などの議論となっている。

しかし、この発想は財政法15条による災害復旧のための公債発
行の概念を援用したに過ぎない。

 百年に一度、あるいは千年に一度の地震や津波による都市の
消失、社会資本の喪失は区分管理はもとより長い年限での償還
を前提にすべきだ。
16.9兆円とも言われた内閣府推計の被害総額は原発事故被
害などを含まない社会資本関係の総額。詳細はまだ明らかでは
ないが、関係する機関の概算で民間インフラ以外だけでも10
兆円規模の社会資本整備となることは間違いないであろう。
いずれにしても、これらについては見合いの資産が必要な社会
資本として提供されるわけだから建設国債(60年償還)を充
てることは十分妥当だ。
前政権下における、景気対策で行った「掘って埋める」式の財
政出動(公共事業)とは意味が違うのだ。

 このような状況にもかかわらず、なぜ、短期間の償還公債を
規定して財源を税としていかなければならないか、僕にはまっ
たく理解できない。

 いずれにしても、今は何よりも復興と同時に経済をどう発展
させるかに尽きる。

経済発展というパイの拡大以外に現時点で政府がとりうる道は
ない、と信じる。こう述べると必ず、もはや経済の発展などは
望めない、経済至上主義者との決めつけをされるのだが、僕は
経済の世界で生きてきたものとして「持続可能でゆるやかな成
長」を否定するわけにいかない。
忘れてはならないのは、戦後の高度経済成長を経て、世界中の
先進国も名目GDPの2~3パーセント成長、すなわち緩やか
なそして持続可能な成長をめざし、そして実現またはその努力
を積み重ねている。

98年以来の長きにわたるデフレ経済を、所与のものとし、何
ら効果的な金融政策を打ち出そうとしなかった反省こそ、今行
うべきではないのか。

 テレビで僕は景気回復のための金融政策「量的緩和の実施」
を訴えたところ、コーナーキャスターは「お金をばらまく」と
説明した。まったく違う。
金融市場の資金ボリュームを上げるということをご理解いただ
けていない。

やはり、言い続けるしかない。

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2011年7月29日 (金)

テレビ出演のご案内

番組名 テレビ朝日系列「やじうまテレビ!」
時 間 7月30日(土) 6:30~8:00 
※まぶちの出演時間は7:20~7:40目安です。

放送地域は、関東地方、新潟、長野、山口、香川、岡山、福岡、その他一部地域となっております。

ぜひご覧ください。

 

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2011年7月24日 (日)

経済発展のための原子力・エネルギー政策

 電力・エネルギー政策を経済政策としてとらえるべきである
と述べてきた。

ここで、改めて原発も含めた原子力・エネルギー政策について
整理したい。

1.今の政府の取り組みについて欠けているものは何か
 ただ単に、政府に対して「ダメだ!ダメだ!」の大合唱では
なく、政策論としての問題点を明らかにすべきである。

1)言葉だけの「脱・原発依存」
 総理が発言した「脱・原発依存」は、残念ながら言葉が踊っ
ているだけで、どのようなスケジュール感で、何をしようとし
ているのか不明確だ。
原発を再稼働させるのかどうか不明確なまま、ただ単に自然再
生エネルギー推進を唱えるなど、エネルギー政策に一貫性がな
く、国民や経済界に不安を与える状況となっていると言わざる
を得ない。

2)崩壊したままの「安全神話」
 福島第一原発事故の反省に基づく課題整理が行われておらず、
中途半端な安全対策により、安全宣言を行っている。
6月のIAEA閣僚級会議での事故報告書にて一部、整理され
てはいるものの、事故調査委員会、安全委員会など客観的な視
点からのチェックが必要なのは言うまでもない。
そして、どのように原発の安全を確保していくのか、プロセス
とスケジュールの全体像が未だ示されていない。このため、中
途半端で場当たり的な対応と受け止められ、再稼働に向けた国
民の信用を失う結果となってしまっている。

2.基本的な考え方
 世界に誇る日本の技術力を生かし、産官学が連携するなど、
「日本の底力」を結集することにより、危機的状況を乗り越え、
経済発展につなげる政策を推進することを基本におかなければ
ならない。

1)原子力政策
【短期:概ね1年程度】
 福島第一原発の事故の反省に基づく安全上の課題を明確化す
るとともに、必要に応じて現在の基準を見直すことにより、世
界一の安全基準を確立することを目指すべきである。
個別の原発の取り扱いについては、上記安全上の課題に対する
安全対策及び実施スケジュールを明らかにしたアクションプロ
グラムを原発毎に策定した上で、原発再開の時期について地元
自治体と調整を開始する。
さらに経産省から保安院を分離し、他の省庁の原子力部門を含
める形で原子力行政を一元化するとともに、危機管理能力を兼
ね備える「原子力規制庁(仮称)」を創設すべきである。
 その際、単なる許認可行政に過ぎなかった国の位置づけを改
め、より主体的な責任を担うとともに、地方公共団体、事業者
との間の責任関係を明確にすることにより、これまでの「国策
民営」から「国責民営」への転換を図ることを高らかに宣言し
なければならない。

【中長期:概ね10年程度】
 世界一の安全基準に基づき、他の国に追随を許さない安全性、
競争力を確保することを前提とした上で、海外への原発輸出を
容認し、成長産業として引き続き国がバックアップするという
選択肢を、今の時点で否定すべきではない。
当面、新規の原発建設は凍結し、原発への依存度を低下させる
が、上記の安全対策・体制が確立された段階で、その時の電力
需給状況を踏まえ、新規原発建設を含めた国内の原発継続の是
非について、国民的議論の上で判断すべきである。資源小国で
ある我が国が、エネルギーポートフォリオを自ら放棄すること
は安全保障上の課題にもなりうる。現時点での知見をもって全
てだとするような、将来のイノベーションの否定は、今日まで
の発展という人類の歴史を軽視するものだ。
中長期的に、我が国が到達し得る科学と技術の革新を実現した
新たな時代に、時の国民的合意のもとに決すべきことである。

2)エネルギー政策
【短期:概ね1年程度】
 高度経済成長、生活レベル向上に伴う電力のピーク需要増大
に対して、20世紀は、原子力、火力、水力など電源開発で対
応した時代だった。
今後とも持続的な経済成長を支えるため、供給面において自然
再生エネルギーなど新エネルギーの創出による多様化を図るほ
か、需要面において一層の省エネを推進し、先進的な需要管理
(DSMデマンドサイドマネジメント)を実現するなど、21
世紀はデマンドレスポンス、すなわち供給のみならず需要も含
めた両面において、技術力・創意工夫で対応する時代であるこ
とを認識しなければならない。
その際、規制強化や国民への負担増を強いる手法に頼るのでは
なく、新たな技術の導入促進、地域ぐるみの取り組みを支援す
るなど、国民一人一人の創意工夫を育て、インセンティブを与
える仕組みを取り入れることが重要だ。

 供給面の新エネルギー創出に関しては、電力会社による買い
取り促進策のほか、技術革新を促すためのメリハリのきいた法
人減税を行うなど税制面での工夫も必要である。
先進的な需要管理の実現に関しては、電力需要のピークカット
を最大の課題ととらえ、個別施設、住宅に対する蓄電池、スマー
トメーター導入促進のための補助制度を創設するほか、大口需
要者に関しては蓄電池や自立電源設備の義務化並びに逆潮規制
の緩和を検討すべきである。

【中長期:概ね10年程度】
 短期的な施策を集中的に実施することにより、民間の技術開
発、投資促進を喚起し、国内の新エネルギー導入コストの低下
を実現するほか、これらの分野を成長産業として、国際競争力
強化を目指す。
街づくり、交通、住宅を一体的にとらえ、社会全体のエネルギー
システムを効率化するため、集約型都市構造の実現を目指すほ
か、公共交通機関の利用促進などエネルギー効率のよい交通体
系の実現を目指す。
今回の震災で明らかになった、電力、ガソリン、天然ガスなど
エネルギー供給網の脆弱性を解消するため、供給体制の多重化
を図るほか、広域的なエネルギーの相互供給による災害時の安
定性確保、電力のピークカットを可能とするため、東西日本間
の周波数変換問題に関しては、直流送電網を危機管理のための
社会資本(インフラ)整備として位置づけ、公共事業としての
実施を検討していくべきである。これにより、本格的な大規模
集中型電源から、小規模分散型電源への転換が可能となるので
ある。

こうした、政策の基本に立って将来像を描くことが求められて
いる。

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2011年7月23日 (土)

相馬野馬追祭と南相馬

 南相馬の相馬野馬追祭へ。
震災によって騎数を揃えることができない状況の中、それでも
復興への希望に繋ごうとしてのこの祭りは、千余年絶えること
なく地域の方々が紡いできたもの。

歴史に裏打ちされた地域の文化と伝統の重みを、同じく130
0年の歴史の中で今も絶えることのない祭事を維持し続けてき
た奈良の人間として、僕自身大きなものとして受け止めたく、
この日にこの地を訪れた。

会場に着くと、皆さんの笑顔に活力がみなぎっているのが伝わ
る。

苦しい中でも、人々が集い、賑わいを生み出す「祭り」の力を
感じる。

二時間の神事と総大将の出陣を見届けて、南相馬市役所へ。
桜井市長との懇談は、一同が震災復旧、復興の苦悩をひと時忘
れることが許されるほどにこやかな笑顔で終始した。

50日を超える今日までのサポートを続けてこられた1期生の
高邑代議士の取り計らいによる祭りと市長との懇談は、僕が1
期の時からお世話になっている先輩の城島政調会長代理とご一
緒させていただいてのもの。

予定を終えて、東京に帰られる城島代理とお別れして南相馬の
エム牧場へ。

同行いただいた高邑代議士から詳細説明を聞きながら、被ばく
家畜の厳しい状況に直接触れて、原発被災地の状況を実感する。

あらためて、原発事故収束についての課題を胸に刻む。

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2011年7月22日 (金)

テレビ出演のご案内

テレビ出演のご案内
7月24(日) 朝6:00~6:45                                 TBS「時事放談」に出演いたします。         

第360回 テーマ:「夏」をどうする。「原子力」をどうする。

ぜひご覧下さい。

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デマンドレスポンス政策へ

 エネルギー政策を経済政策としてとらえるべきである。

エネルギーは、国家の安全保障問題でもあるが、一方で重要な
産業政策でもある。

ここのところ、脱原発依存の場合の電力需給問題が取り上げら
れ、具体的に需給をどのようにコントロールしていくのか、経
済への打撃をどうやって最小限に抑えるべきかという議論が中
心だ。

もちろん、需給コントロールは原発再稼働が現実のものとなら
ない限り厳しい現実がある。埋蔵電力と称される自家発電の利
用も検討の俎上に上げられてはいるが、実用的に十分融通でき
るかというとそうでもない。

 電気事業法106条4項に基づく届出のある1000kw以
上の自家発電設備は約5400万kw。これらのうち電力会社
にすでに卸供給や今夏の売電済みのもので約2200万kw。
ざっと残り3200万kwが自家消費容量になるのだが、当然
自家用なので空きがなければ売電に回すことはできない。また、
中規模工場や事業場、業務用コジェネなどは売電用の逆潮設備
がほとんど設置されていないために系統への送電が不能なもの
が大半だ。
この部分でおそらく1割にも満たない数字になるのではないか。

更に、非常用電源2300万kwは非常使用のための設備であ
るがために6時間稼働などが前提となっていたり、環境規制の
例外設備であるがゆえに常時運転は現実的でない。もちろん、
これも逆潮設備はほとんどない。

こう考えると、埋蔵電力による新たな電力供給は非常に困難だ。

だからこそ、節電という発想なのだが、重要なのはこの節電を
「我慢する」行為とみなさないことだ。

需要の管理を徹底するという発想に立つべきである。
いわゆるデマンドレスポンスである。

僕自身は、このデマンドレスポンスを経済政策へと反映させる
べきであると思っている。
需要側管理、DSM(デマンドサイドマネジメント)を産業政
策へと昇華させるべきなのだ。

例えば、最も重要な需要側管理には電力の貯留、すなわち蓄電
池の設置がある。さらには、需要のリアルタイム把握による高
度な系統運用を図るためのスマートメータの設置がある。
蓄電池や、スマートメータの生産・開発への国の関与は経済政
策としてのエネルギー政策になりうる。
スマートメータというと、電気料金を図るメータのちょっと新
しめのモノ程度のイメージになってしまうかもしれないが、そ
うではない。需要管理を図るための極めて重要なツールになり、
ひいては供給構造を大きく変える起爆剤ともなりうる。

3次補正で、一定規模のスマートメータの支給・設置や蓄電に
対する買い取り扱いインセンティブなど節電を需要サイドに立っ
て支援する仕組みを考えることにより、可能性は広がる。

もちろん、「入口」の電力供給の再生可能エネルギーへのシフ
トも重要だが、それを待つだけではなくデマンドレスポンスに
よって需要側からも「出口」で対応する両面が必要である。

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2011年7月20日 (水)

本日付け工程表見直しについて

 原発収束のロードマップの見直しが発表された。

僕自身、関係者の一員として、ステップ1で一定の成果が上がっ
たことは事実として、この四か月間、目標達成に向けて現場作
業に従事した方々に心から敬意を表する。

具体的な成果とは、燃料プールの冷却に一定の前進が見られた
こと、汚染水の一部処理が可能になったことなどである。

 しかし、一方で依然として課題が積み残されているのも事実
だ。

 まず、循環注水冷却についての課題。
循環注水冷却と言っても、原子炉へ注水後に発生した汚染水を、
そのまま信頼できる配管のみを経由して処理しているわけでは
ない。どこから発生して、どういう経路を通ってきたのかわか
らない汚染水をタービン建屋から回収して処理し、再び原子炉
に注水しているだけである。当然ながら、信頼性のある配管で
の循環注水冷却を目指す必要がある。

 また、、肝心の原子炉の状況は、水素爆発直後から、注水を
海水から真水に切り替えた以外は、ほとんど変わっていない。
それどころか、原子炉内、格納容器内の状況は、水位、溶けた
燃料が存在する場所すら明らかになっていない。巷間言われる
ように格納容器から燃料が溶け出していることも否定できない
状況ですらある。
依然として原子炉内から溶け出した燃料や、燃料プールの燃料
は、いわば直接自然界にさらされていることになり、経路は様
々だが、放射性物質が継続して外部に流出している状況と言わ
ざるを得ない。

 加えて事故収束の長期化については、認めざるを得ないので
はないか。

ステップ2終了時でも、この状況は変わりがないほか、根本的
かつ重要な対策は中期的課題として先送りされているのが現状
である。
その中期的課題についても、3年程度でできることが列挙され
ているだけで、いつ課題そのものが解消されるのか、明らかに
されていない。
国民の不安解消に向け、いつまでに事故を収束させるのか、明
らかにすべき時期にきているのではないか。

 そして、かねがね発信してきたことなのだが、今後もプラン
ト状況の改善がほとんど見込めないことは今回の工程表見直し
の内容からも明らかである。
しかも事故収束には長期間を要する状況が明らかになった以上、
プラント対策を重視するのではなく、環境汚染による国民への
被害拡大を防止することを最優先課題と考えるべきである。

特に、原子炉、格納容器など原子炉建屋内について、最悪の状
況を想定した上で、地上、地下の両面から放射性物質の封じ込
め策を早急に講じるべきである。
このため、中期的課題の中でも優先度の高いものは前倒しして
でも実施すべきで、今回、地下遮蔽壁の整備着手が前倒しされ
たことは前進だが、これでも遅すぎると言わざるを得ない。

 スピード感を持った対策を講じるためには、もはや財務上も
厳しい状況でかつ資金調達力が懸念される民間事業者の東電に
任せきりにするのではなく、国民の安全、健康を確保すること
を目的として、国が資金援助、対策の優先順位決定も含めて積
極的に前面に出て判断するべきである。

 繰り返すが、今回の事故収束の反省を踏まえて、原子力行政
全体について、これまでの「国策民営」から、「国責民営」に
転換することが求められているのである。

四か月の工程表のローリング評価だけで、ことが収まっている
わけでないのである。

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2011年7月17日 (日)

テレビ出演のご案内

テレビ出演のご案内
明日7月18日(月)、                                        テレビ朝日「ワイドスクランブル」(全国24局ネット)に出演いたします。

番組の放送時間は11:25~13:05ですが、                       馬淵の出演は12:00~12:20目安となっております。
ぜひご覧下さい。

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2011年7月16日 (土)

次女からBBQのお誘い

 嫁いで出ていった次女のりいなから、「連休中にBBQしま
す。お父さん大丈夫?」のメール。

ヒロコに、どこでやるの?と聞くと、ウチでだって!

まったく、家にいるころは夏休みでチビもいるからバーベキュー
やろーかー!?って言うと、チビたちは喜んでも、もう年頃に
なったお姉ちゃんたちは、暑いだの、虫がヤだの、なんだかん
だ言ってちっとも協力的じゃなかったのに。

それに、なんでもう出てった子が仕切ってんの?

いいのよ!、毎日帰ってきてんだから。やるって言ってんだか
らやらせりゃいいのよ!と相変わらずヒロコのアバウトな返事。

それに、エッ、毎日帰ってきてんの!?
それって、まずくない?

ダンナやご両親が仕事で出かけてる間、ヒマだから。それに、
ちゃんと彼が迎えに来てるわよ、とのこと。

ふーん、昨今の新婚事情は分からんがねーと言うと、ヒロコは、
あらアタシだって三井時代は毎日アンタが仕事中は実家に帰っ
てたわよ!

そーか。あの頃、「主婦は忙しいのよ」とか言って、家帰った
らまだ何も支度もできてなかったことがあったが、オマエ、実
家で寝てたのね。
娘も、しょうがないか。

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8月中に地下遮水壁着手の一報

 朝のニュースで、今日、菅総理と細野大臣が福島を訪問し、
現地の会見で「地下水汚染拡大防止のための地下遮へい壁構築
着手」について8月中に行うことを表明すると報じていた。

やれやれ、と安堵をつく。

6月17日の工程表見直しに間に合わせるように、東電側に何
としてでも8月中の着手とステップ2への記述を求めて連日、
検討を進めていたのが6月前半のころ。
そして6月11日には、福島第一原発で地下壁の境界(バウン
ダリー)の確認までしに入域してきたのだった。
4号機内にまで立ち入り、サイト内での中長期対策チームリー
ダーとしての責任を果たしてきたとの想いは強い。

入域後、Jビレッジで東電側とも文書を出して文言の確認まで
行い、本社にもその場で電話してもらった。

 しかし、その後の急転直下の状況は、僕の頭越しに起きてし
まった。
あの時は、総会前に云々というへ理屈を出して逃げようとして
いたが、今回、さすがに僕が退任してからもしつこく必要性を
発信してきたので観念したか...。

マスコミに問われても、「大丈夫。しっかりと進めると東電は
約束している」と答えてきたので、ホッとしている。

正式の工程表の発表は19日と聞いているが、いずれにしても
1か月前に確認して、発表しようとしてきたことが着々と進ん
できて発表が遅れて今日になるというだけのこと。
早まったわけではない。

 あとは、工費について所管省庁を定めて予算化することが求
められる。いずれにしても東電は、支援スキームの是非はある
が現時点での自己資金による放射性物質汚染拡大防止策を打つ
ことが困難なのは自明である。
お金の出し方、出し手の議論はあるが、汚染拡大防止が一刻た
りとも遅れてはならないことだけは、明確に訴え続けていく。

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2011年7月15日 (金)

耐震化事業推進の一手法

 二次補正予算審議が本会議にかかり、来週中にも二次補正が
結することになる。
一方で、特例公債法は成立が見えない。
未だ、混沌とした状況が続く。

 今日の日経朝刊の経済教室に早稲田大学の川口有一郎教授が、
東日本大震災の教訓をもとに、都市機能強化を図るべきという
論文を発表されている。

論旨は、81年以前の旧耐震基準建物が3割を占める大都市圏
において、耐震化促進の民間資金を集めマーケット主導の大都
市機能強化を図るべきだとして促進策を述べておられる。

 倒産隔離目的の不動産ファンドの設立が現行法制では困難な
ため、デベロッパーが自力で行う以外にない状況の打破のため
の、不動産特定共同事業法(不動法)の改正を行うべきとの指
摘は、まさに国交省で進めようとしてきた法案を示すもの。
昨年の暮れ、ねじれ国会の中で法案の絞り込みの過程で不動法
の改正を見送ったが、こうした震災の影響と今後の復興を考慮
すれば、是が非でも通さなければならない法案である。

改めて、川口先生からのご指摘は時宜を得たものでもある。

 更に、大臣時代、Jリートの低迷について危惧し内部留保の
検討を不動産投資市場戦略会議に諮問した。

現行のスキームでは、リートは税法上90%以上の譲渡益を配
当に回さなければならず、実態としてはほぼ全額配当していた。
こうした状況で、物件売却譲渡益を配当せずに購入資金に充て
らる税法改正の提言は、内部留保を現実化する一手として不動
産投資市場戦略会議の報告書にも記されたものであった。

 こうした、諮問会議の検討結果がその後の研究につながり現
実のものとなることが、ニッポンの復興と新生への確実な一歩
となる。

川口先生の提言が、今後の国交省の検討の俎上に具体的に上る
ことを強く期待する。

 国交省を離れ、党役員、補佐官を歴任し、最近になってぼち
ぼちと国交部門のその後の政策についても意見を述べていこう
と思っていたところ、鷲尾「海上警察権のあり方に関するWT」
座長からお声掛けいただいて、海上警察権の見直し経緯につい
ての講演の機会を来週いただいた。

尖閣諸島沖問題で問責決議を受けた大臣として、最もこだわっ
た行政法のアプローチを、しっかりと皆さんにも知ってもらい
たいと思う。

原発問題のみならず、古巣の政策も黙ってはいられない。

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2011年7月14日 (木)

総理の「脱・原発依存」会見の注目度

 昨日の総理会見について、さまざまな方面からの意見をいた
だく。
「脱・原発依存」を打ち出していただいたのだから、望まれる
方向だと僕は考えているのだが、多方面から、そこまではどー
かなー?と思える程の、ほとんど言いがかりに近いものまで飛
び交っている。

昼のTBSの番組では、総理の発言については上記のように歓
迎のスタンスで答えた。ただし、将来の絵姿も当然ながら重要
なのだが、足元の安全の確立が不十分であることを改めて指摘
した。
十分に国民の理解を得る努力が、政府も与党にも必要だ。

 米国大使館でルース大使と面談。
1時間の予定を取っていただいて、久しぶりの懇談は多岐にわ
たった。
国交大臣退任以降、ご無沙汰をしていたので補佐官退任のご挨
拶。
福島第一原発事故についてのNRCをはじめとする米国政府並
びに関係機関のご協力に感謝申し上げるとともに、中長期対策
チームとしての取り組みや外交、内政問題も含めての意見交換
は大変有意義な時間となった。

「Anytime!(いつでも、連絡を!)、またお会いしましょう!」
と気さくに見送っていただいた。

昨日の菅総理の発言については、国際社会が強い関心を持って
いることを実感する。やはりレベル7に及ぶ原発事故がいまだ
収束を見せない状況の中での、政策転換をどのように国民が受
け止めているのか、政治はどう動かそうとしているのか、極め
て高い関心を持って我が国を見ていると実感。

この原発事故の収束とエネルギー政策、原子力政策はもはや国
内問題では済まされない世界中の注視にあることを忘れてはな
らない。

発信も含めて、淡々とそしてゆるぎなく行っていく。

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テレビ出演のご案内

明日7月15日(金)、15:30~16:00TBSニュースバード
「~国会トーク~フロントライン」に出演いたします。
再放送の予定は15日23:00~23:30、
16日9:30~10:00、17日0:30~1:00の3回です。
CSの番組ですが、16日(土)からはインターネットニュース
「TBS NEWS ⅰ」でご覧いただけます。
TBS NEWS ⅰのホームページはこちらです。
http://news.tbs.co.jp/index.htm

 ぜひご覧下さい。
             

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2011年7月13日 (水)

総理が「脱・原発依存」表明へ

 総理がこの後6時からの会見で「脱・原発依存」を表明する
との連絡あり。

僕が発信してきた方向に向かっていただけるなら、歓迎する。

エネルギー政策としての「脱・原発依存」、そして原子力政策
としての「脱・安全神話」。
このことを、前面に打ち出してこの難局に当たるべきと補佐官
退任以来、言い続けてきた。

スタンスの定まらない政府に対しての、経済界からのフラスト
レーション並びに国民の不安は大変なものだ。

だからこそ、原発収束にあたってきたものとして、方向性を明
確に示すべきだとの発言を繰り返してきた。

誰から見ても、わかりやすい方向に進んでいくことが望まれて
いる。

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テレビ出演のご案内

□■ テレビ出演のご案内
明日7月14日(木)、TBSテレビ「ひるおび!」(全国28局ネ
ット)に出演いたします。
番組の放送時間は11:00~13:53ですが、馬淵の出演
は11:55~12:45目安となっております。
 ぜひご覧下さい。
              □□  □■  ■□  ■■

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2011年7月12日 (火)

50年前の原子力災害補償の考え方

 先週本会議で原子力損害賠償支援機構法案の代表質問が行わ
れ、いわゆる東電賠償スキームが審議がスタートした。
以前より、東電賠償スキームの問題点を指摘する発言を繰り返
してきたが、国会でのより現実的な修正が行われることを期待
している。

すでに、関係省では修正を前提とした人事がなされていると聞
かされている。

ならば、初めから修正の必要のない案になぜできなかったのか
との想いがよぎる。

 結局は、国の賠償責任を正面から取り上げることに反対する
財政当局の強い意向を忖度した結果であろうことは容易に想像
がつく。

 昭和36年に成立したいわゆる原子力災害補償二法「原子力
損害の賠償に関する法律」及び「原子力損害賠償補償契約に関
する法律」の立法趣旨においても、この国の責任についての激
しい議論がなされていた。

原子力被害者の保護をはかると同時に原子力損害賠償の責任を
もつ原子力産業の経営の破たんする恐れのあるような形の賠償
措置では困るので、立法趣旨は被害者の保護と原子力事業経営
の健全な育成を前提にして損害賠償が完全に行える体制を作る
ことが必要だとしていた。

しかし、この当時でも国の責任については消極的な財政当局が
いた。

 昭和36年10月15日号の「ジュリスト」における「原子
力災害補償をめぐって」という座談会で、当時の立案責任者で
もあった前科学技術庁原子力局政策課長の井上亮氏はこう語っ
ている。

「当初関係官庁の担当官は、原子力事業の健全な発達に資する
ために国が助成措置を講ずることはできるけれども被害者の保
護を国が直接責任を負う形ではかるということはできないと主
張された。由来日本の財政支出の考え方、国の財政支出面にお
ける役割としては、第三者たる被害者に対して直接損害賠償責
任を国が負って支払うというような前例は明治以来ない。この
ような前例を作ることは他の産業災害についても波及し、国の
財政負担は厖大なものとなる虞れのあることを懸念し、この法
体系全体を通じて、被害者の保護をはかるということは目的の
中に入れるべきではない。~というような考え方があったわけ
であります。」

かように、かつての二法についても財政当局の強い意向が働い
ていた。

転じて、50年後の今日。

同じ呪縛によって、同様立法趣旨の法案が提出された。

しかし、50年の歳月を経ての今般の大事故は、改めて「国策
民営」で進められた原子力政策の問題点を浮き彫りにした。

原子力の在り方は、今後さらに議論が必要だが、まずは「国策
民営」から、国が責任の所在を明らかにする「国責民営」を謳
わなければならない。

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2011年7月11日 (月)

原発再稼働統一見解について

 政府は原発再稼働に関する統一見解を発表した。

これは、さすがに厳しい意見を言わざるを得ない!

統一見解の【現状認識】については特に、疑問を強く持つ。

見解では安全性の確保について、今日までのあり方を一切反省
せず、肯定する言葉がいきなり続いているのである。

いわく「現行法令にのっとり安全性の確認が行われている。」
「従来以上に慎重に安全性の確認が行われている。」等々。

残念ながら、今回の見解には福島第一原発事故を踏まえた反省
はどこにも見られない。

原発の「安全」という言葉について、福島第一の事故前後で全
く意味が異なっていることを認識すべきである。
特に、福島第一が収束になかなか向かわない中、なぜ他の原発
を再稼働させるのかという国民の当たり前の疑問を真摯に受け
止めるべきだ。

事故の原因はなんだったのか、事故前の安全対策及び体制のど
こに不備があったのか、発災後の事故対応についてどこが問題
だったのか、ということを国民の前に明らかにし、反省するこ
とからスタートすべきである。

反省無き【現状認識】、さらには「国民、住民の十分な理解が
得られているとは言い難い」と国民の理解不足を【問題点】と
しているこの「見解」は、依然として国民の認識と大きく異なっ
ていると言わざるを得ない。

 更に、【解決手法】についても課題が残る。
評価の関係者は原子力安全委員会、保安院、事業者の三者でし
かない。原子力村と称される構成員の三者で評価した結果で安
心する国民がどれだけいるのだろうか。

確かに現時点では制度上、権限を持つのは保安院。しかし、今
後評価体制をどのようにするのかは中長期的に課題としなけれ
ばならない。

評価手法、評価の結果を客観的に監視する当事者でかつ責任を
持った機関を設置するとともに、その結果について、やらせの
ない手法でパブコメなどを実施すべきである。

また、再稼働に関して国民が懸念を抱いている点は、立地条件、
形式、老朽化の状況などに応じて、当然原発ごとに異なる。
このため、全原発一律の評価項目、評価手法とせず、各原発毎
の特性を考慮するほか、評価実施項目、手法について、最低で
も立地都道府県から評価実施前に意見を聞く必要がある。

 第1次評価についてはどの程度安全の余裕があるのかという
「安全裕度」をストレステストにより評価することとなってい
るが、このことは、既存の評価手法、安全基準による評価で安
全だということは既に確認済みであることを前提としている。

国民は、本当に再稼働させてもいいのか、厳格な安全の確認を
求めている。
再稼働については、「安全裕度」ではなく、福島第一の反省を
踏まえ、安全基準を見直した上で、「安全」そのものを再評価
すべきなのだ。

また、福島第一原発事故が深刻化した原因は、原子炉建屋とい
う安全上重要な施設が被災しただけでなく、タービン建屋や送
電線であるなど、それ以外の施設が被災したことが大きな要因
となっている。

 今回の1次評価の対象は、安全上重要な施設を主に対象とす
ることになっているが、発電所内の施設全体、広域的な送電網
も対象とする他、非常時の危機管理体制などソフト面も対象と
すべきである。

 訴え続けているように、ストレステストでは、安全確保には
ならない。
もちろん電力危機への認識も重要である。だからこそ、原子力
への信頼回復のための安全の徹底が求められている。

 そのうえで、しっかりとした再稼働のためのプロセスを早く
示す必要がある。形だけの安全評価ではなく、再稼働を控えた
各原発ごとの安全上の課題を早急に整理し、国民や地元が納得
する形で対策を行うことが求められている。

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2011年7月10日 (日)

102と304と404

 関西も梅雨明けしたのかな。
と思うくらいすさまじい暑さ。久しぶりの地元のジムで、東京
とどっちが暑いですかと聞かれて「そりゃぁ、もう比べもんに
ならん!」
どう転んでも、奈良のほうが暑い。

昨日は朝から大阪でテレビに出て、奈良に戻り1区幹事会。
さらに久しぶりの街頭演説。
厳しい声を浴びせられるのも覚悟で、マイクを握り実に一年ぶ
りの地元での街角での訴え。

マイク一つで、言いたいこと、訴えたいことを気兼ねなく発信
できることに無上の喜びを感じる。
今日のこの政治の体たらくは、自分も含めて反省しつつそれで
も変えていかなければならない、前進させねばならないの思い
は強い。

 しかし、通りゆく人、立ち止まる人、いずれも奈良の皆さん
はあたたかい。
先週の「たかじんのそこまで言って委員会」の影響が奈良では
如実に表れているだけかもしれないけれど...。

今後は、しばらく留守にしていた地元活動、東北被災地支援さ
らには地方支援にと出ていきたいと思う。

 地元と言えば、先日、地元奈良出身で東京で活躍されている
樋口泰行マイクロソフト社長、笛吹雅子日本テレビキャスター
とご一緒した。震災もあり、なかなか都合がつかなかったのだ
が遅めの時間で三人顔をそろえることができた。

実は、この三人は同じ奈良というだけでなく同じ鶴舞団地の出
身。しかもお互いが向かい合わせで住んでいたという偶然。
樋口社長と笛吹さんが61号館、そして僕が60号館。
三つ上の樋口社長は、子供のころから一緒に野球をして遊んで
いたまさに僕らの「ニイちゃん」。
笛吹さんは八つ下だから僕が中学の頃で幼稚園。ほとんど接点
なかったよなぁ、でも確かお姉ちゃんが弟と同級生だったな、
なんてことを話していた。

いずれにしても、同じ時代に同じ空間で過ごしていた三人。
しかも、団地同士でお向かいですね、と笑いあった。
それぞれが、部屋番号を思い出しながら、「304です」、
「102!」、「確か404」などとお互いを番号で呼び合っ
ていた。

 震災で、あらためて一人一人が大切にしている地元・ふるさ
とへの絶ちがたい想いがクローズアップされている。
「復興」の二文字は、この国の人々の大切な故郷への想いが込
められた言葉。

東日本のみならず、全国の、「復興」が待ち望まれている。

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2011年7月 8日 (金)

もう一つの柱、「脱・安全神話」

 ストレステストではなく、基準の見直しが必要だと記したが
追加の説明が必要だ。

このような事故を引き起こしてしまった原発の安全基準を徹底
検証することにはだれも異論があるまい。

そして、今の原発の安全基準がどういうものかメディアやその
他国民がほとんど理解していないのも当然だ。
きちんと説明していないからである。

 まず、現在の原発の安全基準の想定外地震については、そも
そも想定地震がどのように設定されているかを知る必要がある。

これは原発特有のものでもあるのだが、主に三つの類型がある。
一つは海溝型地震。これは近接する海溝の位置や規模を特定し
て海溝のストレス集中のメカニズムで地震を想定するもの。
二つ目は、断層型地震。これは地質調査で近隣の断層を特定し
規模を算出して地震を想定するもの。
三つ目は、直下型地震。過去の断層型以外の地震から統計的に
規模を算出して地震を想定するものである。

 これら三つのうち原発施設に特有のものが、海溝型地震と断
層型地震の想定である。そして、問題だと思うのが断層型地震
の挙動に対しての依拠が高い点だ。そもそも活断層などは、過
去の地震の痕跡であり、確かに地震発生のストレスがたまりや
すい個所とも言われているが今後そこで必ず発生するかは定か
ではない。いやむしろ、地震はどこでも発生しうるものである。

現在の建築基準法では、直下型地震の想定、すなわち地震はど
こでも発生しうるものとしている。

そして、こうした三類型の地震の想定を、行っているのが電力
事業者である。

 そもそも、ここが問題ではないのか。
国が、それこそ会社任せではない、地震の想定を行うべきであ
る。

想定外か否かを、事業者任せにしている点が問題なのである。
事業者が自ずと自分たちの都合のいいように解釈してしまった
としても、致し方ないのではないか。

 更に、津波対策の不備は巷間言われているものである。
そして、僕が最も危惧しているのが、建屋そのものよりも配管
などの耐震性である。配管や電気系統の老朽化も加味した耐震
性がはたして十分基準に反映されているとは到底言えないと推
量する。

こうした耐震性に始まり、原発施設の安全基準の見直しこそが
今回の事故の問題の本質にある。

 いくらストレステストをやったからと言って、安全性が確保
されたことにはならない。

前にも述べたが、「脱・原発依存」は極めて重要なエネルギー
政策である。

しかし、これはエネルギー全般に対するポートフォリオ政策だ。

もう一つ、車の両輪として政策転換しなければならないのは原
子力政策としての「脱・安全神話」である。

エネルギー政策としての「脱・原子力依存」、そして原子力政
策としての「脱・安全神話」。

この二つを、車の両輪として回さなければならない。

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テレビ出演のご案内

7月9日(土) 午前8:00~9:25の読売テレビ

「ウェークアップ!ぷらす」(日本テレビ系列全国ネット)に出演

します。

ぜひご覧下さい。

「ウェークアップ!ぷらす」ホームページはこちら

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2011年7月 7日 (木)

ストレステスト

 ストレステストとは、想定外力を上げる、又は想定事象を与
えることによってどのようなリスクが存在するのかを明らかに
するものである。
そして、その目的は、今の基準がどのくらい余裕度をもってい
るかどうかを数値でで示すことで「住民の安心感をより高める
ため」(政府発表)とするものである。

例えば、地震の加速度を段階的に上げる、津波の高さを段階的
に上げる、無電力状態を想定するなど。

しかし、ストレステストをすべての原発で行うからイコール安
全ということではない。

 まず、与えるストレスの妥当性が問われる。
あくまで与えるストレス自身も、人が(場合によっては意図的
に)想定したものなので、想定外は永遠に存在する。与えるス
トレスの客観性・中立性がポイントとなる。

 次に基準の妥当性。
想定外力を上げて、リスクが明らかになったとしても、基準を
変えない限り、安全性が向上されるわけではない。
保安院は、ストレステストは実施するが、安全基準は変えない、
といっている。これでは何の意味もない。

 そして余裕度の意味。
実際に物理的な実証を行うわけではなく、あくまで机上のシミュ
レーションであるため、使うモデルの妥当性・誤差や老朽化な
ど考慮できない要因は排除できない。今の安全基準により安全
性を評価する場合は、これらの不確実性を考慮した上で一定の
安全率を見込んでいる。この安全率を、余裕度におきかえるこ
とは、その結果自身が不確実性を持つことになる。

 行うべきは何か。
福島第一の検証による反省を客観的に行うこと以外にない。

そしてそれは、改めるべき点のある基準は改めるということ。
それに基づいた必要な安全対策をきちんと行うこと。
このこと以外にない。
これらを行わず、シミュレーションというのは後先が逆である。

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宮城・岩手でのインフラ視察

 松本龍大臣の突然の辞任によって、再度永田町は騒々しかっ
た。
そんなさなかでの、一年三か月ぶりのスタジオ番組テレビ出演
だったが、原発問題とは無縁の人事の話が前面に。
ま、これも仕方ないか。

番組では短い時間ではあったが、脱原発ではなく脱原発依存を
図るべきということを中心に話す。
戻ると、少し早口になってる、と事務所スタッフからクレーム。
今後、気をつける。

 そして昨日から、宮城・岩手の被災地へ。
原発中長期対策担当を離れて、最初の被災地訪問は福島だった
が、今週は宮城から岩手。
今回はインフラの状況視察を中心に、被災地の復興課題を見た
いと思っていた。
もちろん、生活そのものに関わる課題はそこに住まう方々にとっ
て最も重要である。そのことも、十分注意しながらまずは補佐
官任務が解かれて、統合本部縛りがなくなった自由の身での活
動。

宮城は仙台平野を中心に名取ICから閖上地区、山元町の中浜
小学校、坂元駅、南泥沼踏切と津波被害の状況、そして岩手に
向かい松島、石巻、気仙沼、陸前高田、大船渡、釜石市両石、
鵜住居、大槌町、船越、山田町に宮古市田老地区とめぐる。

様々な課題や現場の状況が見えてくる。

一つ一つ整理して、問題提起及び働きかけをしていきたい。

 仙台では馬淵事務所インターンOGが赴任地であるというこ
とで、仙台にいることを聞いて訪ねてきてくれた。久しぶりの
再会と無事な姿に安どする。

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2011年7月 3日 (日)

現実的な脱「依存」へ

 福島の遠藤富岡町長と佐藤雄平知事のお二方共に、口にされ
た言葉が気になって仕方がない。

同じ思いを持たれている方が福島に多数いらっしゃるのではな
いか...。

経産省からは原発再開が要請されている。
津波対策、電源、ポンプなどの多重化等の施策が求められ、電
力事業者側の対応について安全基準を満たしたとしての再開要
請。

僕のもとにも、真摯に安全が再確認されてきたのか?、今まで
と何も変わらないではないか?、との問いかけが多方面から寄
せられている。

 こうした中で、仮に再開がなし崩し的に起きれば、そのうち
に原子力災害は福島だけのこととして矮小化され、さらには忘
れ去られてしまうのではないか...。

全国的な再開によって、全国民が抱いた原発への不安がいつの
間にか忘れ去られ、抜本的な安全の確立という本質の議論もな
されないまま、やがて、福島のことも一地域の被害として置き
去りにされるのではないか...。

 こんな不安を多くの被災者が抱いている...、との苦悩を
感じるお二方の言葉でもあった。

自分なりの、整理をしてまた町長はじめ皆さんのご意見を吸い
上げていきたい。

 僕自身、原発推進派でもなければ、概念的な脱原発を掲げる
非現実派でもない。

あくまで、この事故をきっかけとして、工学的な安全に対する
国際社会からの信任を得られるような技術・基準の確立こそ、
「脱原発依存」が図られるためのキーだと考えている。
生活重視、経済重視がこの国の成長の両輪だと思っている、現
実派だ。

脱「依存」を、脱「原発依存」を、いかに科学的に進めていく
かが問われていると思っている。

その意味で、知事や町長の苦悩が、胸に響くのである。

 東京に戻り、さっそく福島の田嶋現地対策本部長から被災者
向けの東北自動車道の無料開放に対してのIC付近での渋滞対
策についての要請が来る。
実施して、まだ一週間ということもあり、実態把握とその状況
の分析が十分ではないことはすぐに告げた。

道路局にも連絡し、たとえばまだブースをすべて開くことがで
きていないICがあることの事実確認や、縦列処理などの方法
も含めて対策の必要性を議論。
いずれにせよ、被災地にとって何が必要かということについて、
代弁者として動く。

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2011年7月 2日 (土)

政策議論こそ求められるもの

 一議員としての自由な立場での発言について、さっそく「政
府を批判」などと報道するメディアを目にするが、本当にこの
国の政治をどう考えているのか。

政局にからめさせることが、国民の目を引く一番の手立てだと
でも思っているのか。
それとも、永田町の中で目が曇ってしまっているのか。

 僕が、今、一議員として最も伝えたいのは、「堂々とはばか
ることなく政策議論を国民の前で行うことこそ、真の民主主義
の姿である」ということ一点だ。

政府や党執行部の立場では政策議論を純粋に行うにはあまりに
もしがらみがありすぎるということを、政権交代後の今日まで
に十分経験し理解してきたつもりだ。

関係省庁の調整の果ての決定について、所管外のことを語るこ
とがどれだけ行政組織に混乱を招くかということぐらいはよく
わかっている。

だから、行政職にいるときは立場をわきまえてきたし、それこ
そ組織内の議論の段階で全力で討議してきた。
そして、組織の決定には従ってきたし言を慎んできた。

また党執行部においては、政調部門という所管での議論にゆだ
ねるべき立場の時にはそれを理解しわきまえてきたつもりだ。

しかし、一議員となっては、自由な政治的発言をするのは当然
である。
かつ党内議論が二分するような議題の場合には、体面を保つた
めの結論づけを良しとするようなままでいいのかということを、
国民の代表として繰り返し発すべきである。
再度、議論の俎上に載せようとする努力は決して否定されるも
のではない。
万が一、そうした言論を組織が制限するようなことがあっては
ならない。
まさに、政策議論は、民主主義の根幹にかかわる事なのだ。

だから、はばかることなく、政策議論を行っていく。

そして、それをただただ政局がらみにあげつらうようなメディ
アに対しても徹底して議論を挑む。

今日の政治の混迷に対しての責任は、我々にあることは真摯に
受け止めなければならない。
しかし、それを直接国民に伝える立場のメディアも、自らの胸
に手を当てて考えていただきたい。

そして、国政にかかわるすべての人々が、謙虚に反省に立って
前へ進めようという覚悟が求められていると思っている。

そのつもりである。

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2011年7月 1日 (金)

原発被災地へ

 補佐官として統合本部(後の統合対策室)に入って以来、東
京を離れることのできない重圧から解放された。

今まで、被災地に入ることもできず、唯一福島第一原子力発電
所のサイト入域及び建屋入室などで現地に入っただけ。
もちろん、それはそれでかなりきついことでもあるが...。

 よって、まず被災地に入りたい!と退任後すぐに日程を調整。
原発収束に取り組んできた立場としては、何よりもまず、福島。

被災者の方々の直接の声と、原発収束への道筋に対するご不満
やご意見を伺いたい!と朝から向かう。

同期の田嶋要経済産業大臣政務官が、福島の現地対策本部長の
任に当たっている。
さっそく、オフサイトセンターの本部長室へ。
田嶋本部長から現況及び課題などを伺い、現地本部で各省各関
係機関の皆さんにご挨拶。

県議会対応で県庁知事室にはご不在だった佐藤雄平知事からは
後に電話で詳細な陳情を伺う。さらに隣の自治会館の県の対策
本部。

 その後、車で郡山市のビッグパレットへ。
ここでは、発災直後から南相馬に入り、さらには被ばく家畜の
研究提言など精力的な被災地支援の活動を行っている同僚の高
邑勉議員のアレンジにより、遠藤富岡町長はじめ地域の方々交
えて原発被災地の実情と訴えをお聞きする。
また、同じく避難されている川内村副村長からもお話を聞く。

少なくとも、原発を抱える地域の自治体代表者として、今日の
事故に至る危険性について再々問題提起してきたとの遠藤富岡
町長の言葉は、僕自身が感じていたことと重なって強く響く。

これからは一議員としての発信で、お役にたちたいと再会を約
束して辞す。

仮設住宅の現況なども視察し、また仮設移住が進まない状況な
ども役所の担当者から直接聞き、今後の対応についての要請を
受けて東京へと戻り。

新人の時のような気持ちに戻っての議員活動を、仲間と共に行
う。

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総理大臣補佐官退任

 27日、「補佐官を免ずる」の辞令が発令されました。
94日間の補佐官任務が終了いたしました。
この間、ご指導ご鞭撻いただいた多くの関係者の皆様にはこの
場をお借りして、心から御礼申し上げます。
ありがとうございました。

 正直、2日の総理の退陣表明もあり、区切りがあることは承
知していたが「プチ改造」による突然の退任となった。
振り返れば、発災後二週間強の3月26日、突然の官邸からの
呼び出しにより急きょ原発事故対応ということでの補佐官就任
を要請され、受諾した。
大阪から官邸に向かう中、岡田幹事長からも党役員罷免の連絡
を受け、相当な覚悟で官邸に向かったことを今もはっきりと覚
えている。

うすうす何を言われるかは、感じてはいた。
役員罷免してまでも官邸に呼ぶなどということは、相当な事態
が起きている。
これは原発に違いない。
そう思って新幹線に飛び乗った。そして、もはやそのような
「人類の危機」に、傍観者ではいられない!との強い覚悟と決
意は持って臨むと決心した。

官邸入りし、次いで統合本部入りして「原発が危ない!」との
政府の認識を、総理、官房長官、海江田大臣、細野補佐官から
伝えられ、ハラをくくった。

原発の収束の大義のために全力を尽くす!と。
そして、補佐官という立場上、黒子に徹する!とも。

以来94日間、できるだけの手立てを打ってきた。
道半ばであることについては、ともにチームで取り組んできた
皆さんに本当に申し訳ない想いでいっぱいだが、人事は人事だ。
受け止めるしかない。

具体的には、27日の総理からの電話では補佐官を降りて経済
産業副大臣の就任を要請された。
すでに報道で、亀井国民新党代表、蓮舫行政刷新担当大臣の補
佐官就任が出ていたので、事情はすぐ呑み込めた。

しかし、お引き受けするわけにはいかなかった。

二つの理由が僕にはあった。

 一つは、先に述べたように「未曽有の人類の危機に対して傍
観者ではいられない」との決意のもと、補佐官となって事態収
束にあたってきたのであり、原発事故対応一点が使命だとして
取り組んできた。それが、事情があるにせよ、事故対応以外の
経済産業省所管の政策を取り仕切る政務三役を受けるわけには
いかない。
菅政権で閣僚を務めた自分が内閣改造で辞し、二カ月もたたな
いうちに再び参画するという異例の人事をお受けしたのも、危
機対応という大義によるもの。正直、この大義以外に菅政権で
自分が私が為し得ることはないと思ってきた。

 二つ目は現在の経済産業省の原子力政策を容認、追認できな
いということ。
原子力に対する国民の信頼が失われている今、その稼働には徹
底的な安全確保が不可欠である。にもかかわらず経産省は今ま
でと何ら変わることのない体制で判断された基準によって安全
宣言し、自治体への再開要請を行った。事ここに及んでも、国
は判断を自治体に押し付けようとしているかのごとき姿だ。
 これでは、国の責務を果たすとは言い難いとの想いがあった。
補佐官という立場上、任務以外には一切口をつぐんできたが、
さすがにこれは追認、容認はできない。
 さらに、発災後の混迷は「法に基づいた責任と権限」によっ
て行使されるという組織の原則を無視した結果の機能不全だっ
たと思っている。何とか、そのことを修正し対策を検討実施し
てきたが、このまま状態を放置して最も求められるスピーディー
で柔軟な対応がなされない状況が続くことも認められない。

 総理には、政務三役となって現行の経済産業政策、とりわけ
原子力政策については受け入れられない、とはっきり伝えた。
「ならば降りてもらうことになる」との総理のお言葉だったが、
「それは総理がお決めになることです」とお伝えした。

 一年10か月ぶりに無役となった。
一議員として、これからは誰にはばかることなく、何でも、自
由に発信できる。
押さえてきた想いも、遠慮なく発言していきたいと思う。

 退任の挨拶回りに、政府関係者、党幹部や幹部経験者の皆さ
んを回った。
いきなり、メディアは小沢元代表訪問だけを取り上げ、「憶測
を呼んでいる」などと報じている。
違うだろ!、煽って、憶測招いているんじゃないの?!

大臣退任の時は全議員に挨拶に回った。

人としての礼儀を果たすことすら、政局に絡めてしまうことに、
正直ゲンナリする。

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